「本名が使えない」「独立めぐる確執」…のんが13年間も地上波連ドラから消えていた理由と、復帰の裏側

「本名が使えない」「独立めぐる確執」…のんが13年間も地上波連ドラから消えていた理由と、復帰の裏側

◆本名を名乗れなくなった独立騒動の深層

 2015年1月、のんが個人事務所「三毛andアザラシ」を設立したことが明らかになった。背景には、レプロ社側との方針の違い、演技指導を受けていた演出家への心酔があったとされる。

 当時の報道によると、レプロ社側は個人事務所設立などを契約違反と指摘した。さらに「彼女が仕事を拒否している」と主張。だが、のん側は「事務所が仕事を入れてくれない」と反論した。双方の言い分が対立し、のんは事実上の活動休止状態になる。

 そのまま事務所とのんの契約は2016年7月に終了する。のんは独立したが、その際に芸名を本名でもある「能年玲奈」から、「のん」にあらためた。仕事で本名が使えなくなったことに対し、世論は猛反発したが、これには商標法の問題が絡んでいたとみられる。

 芸能事務所の多くは新人をデビューさせる際、特許庁に芸名を商標登録する。権利は芸能事務所が持つ。本名を芸名として登録する場合は、本人の承諾が要るから、のんも承諾していたことになる。

 なぜ商標登録するかというと、第1の理由は芸名を第三者に使用されないようにするため。別人がその芸名を名乗って活動したり、芸名を勝手に使った商品が発売されることを防ぐためだ。ブランドの権利を守るという発想はほかの業種と同じである。

 ほかにも理由はある。芸能事務所側には、その芸名を名乗る俳優、歌手は自分たちがつくり上げたという自負がある。ノウハウや育成費、営業費などを注ぎ込むからだ。このため、独立や移籍をした場合、その芸名での芸能活動をしてもらいたくないという考え方である。

 芸名をめぐる確執は、実は珍しくない。たとえば2014年には加護亜依(38)の当時の所属事務所・威風飄々が、前所属事務所・メインストリームの持つ芸名の商標権を取り消す審判を特許庁に起こした。

 その結果、退所済みだったメインストリーム側が商標を使用していないとして、取消しが認められた。ただし、審判がどうなるかはケース・バイ・ケースだ。

◆テレビ局がのん起用を避け続けた理由

 のんが地上波ドラマに長く出られなかったのは、テレビ局側の事情による。まずレプロエンタテインメントが大手なので、のんを起用すると、同社のほかの所属俳優との出演交渉に影響が出る可能性がある。それを心配し、のんを使わなかった。

 民放の場合、レプロ社の所属俳優が出ているCMのスポンサーの存在も気にする。スポンサーがのんの出演を嫌がることを懸念するのだ。

 ほかの芸能事務所も関係する。俳優らの独立に否定的な芸能事務所は、のんとの共演を歓迎しない。共演者がいないとドラマは成立しないので、テレビ局側は大いに気にする。

 では、のんはどうして地上波ドラマ界にカムバックできたのか。2019年、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対し、SMAPの元メンバー3人をテレビに出演させないよう圧力をかけた疑いがあるとして注意した。まず、この動きが影響した。

 独特のルールで運営されてきた芸能界に公的機関が関与し始め、考え方を見直さざるを得なかった。ほかにも大きな理由はある。Netflixなど配信動画会社の台頭だ。


配信元: 日刊SPA!

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