
そしてこの傾向は、今年に始まったことではありません。前年の令和7年度調査でも、記述式の平均正答率は40.2%と、やはり最も低い数字。中でも中学3年生に出されたある問題では、正答率の低さが話題を呼びました。「1,2,3,4,5,6,7,8,9の中から素数だけを選べ」――さて、みなさんはこの問題、正しく答えられるでしょうか。
今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気コラムから、「素数」の問題から見えてきた”いまの子どもに足りない力”についての話。記事の後半では、この結果から見えてくるものについて、少しだけ考えてみたいと思います。「にやける」「したり顔」の本来の意味を迷わず答えられますか?
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◆中学3年生の約7割が「素数」の意味を知らない
みなさんは「素数」がどんな数か説明できますか?私は素数と聞くたびに、『ジョジョの奇妙な冒険』第六部に登場するプッチ神父が素数を数えて平静を取り戻そうとする様子を思い出します。
彼曰く「素数は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字」であり、彼に勇気を与えてくれるからだそう。
さて、「1,2,3,4,5,6,7,8,9の中で、素数だけを選んでください」といわれたら、みなさんは正しく選べるでしょうか?


1を選んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、1は1でしか割ることができず、「1と自分の数」の2つの数で割れないため、素数の条件を満たしません。
この問題、実は全国学力調査で中学3年生が解いたところ、正答率が驚きの32.2%だったそう。無回答率は0.7%。100人いたら、30人程度しか、「素数」の意味するところを分かっていないことを示します。
「生きる力」を重視するあまり、本当に大事で基本的なものを忘れてしまっているのではないでしょうか。
今回は、基礎学力調査で明らかになった「忘れ物」に迫ります。
◆国語で正答率がガクンと下がる問題

①会心
②改心
③改新
答えはもちろん①「会心」ですが、この問題も正答率は低く、35.7%しか正しい漢字を選べていません。ちなみに、無回答率は0.2%でした。
さらに、国語の問題を追っていくと、40~60%程度の正答率が多い中で、ガクンと下がる問題に突き当たります。記述式の問題です。
国語では全4問の記述問題がある中で、正答率は一番高いものでも31.2%。
無回答率もほかの問題よりも高く、27%の生徒が無回答で提出している問題もあります。
時間的な制約もあるでしょうが、そもそも「書く」ことが選択肢よりもハードルが高いため、手が遠のいている可能性があります。
それぞれの記述問題は自由記述ではなく、テーマや条件が付帯しています。これらの制限を満たしている文章が正解となりますが、無回答率が1桁パーセントでありながら正答率が低いということは、「条件を満たせていない」もしくは「文法的に誤っている」など求められた答えとは異なる文章を出力していると読めます。

