歯周病のセルフチェック!検査や治療法、毎日の歯磨き方法【歯科医監修】

歯周病のセルフチェック!検査や治療法、毎日の歯磨き方法【歯科医監修】

歯周病の治療方法とは?

では、歯周病と診断されたら、どんな治療をするのでしょうか。「中心となるのは、根本的な原因である歯垢(プラーク)と歯石を取り除く『歯周病基本治療』。歯周病の約8割は、これで治ります」と若林さん。

「歯周病基本治療」は、毎日の正しい歯磨きと歯科医院で行う専門的なケアの2本立て。正しい歯磨きの仕方は次ページで紹介しますが、若林さんはこう助言します。

「出血するからと歯磨きを控える人がいますが、これはダメ。出血しても、しっかりと磨くことが重要です。数か月ほどで歯肉が引き締まり、出血も止まります」

歯周病の治療法:スケーリング

歯科医院で行うのは、「スケーリング」。先の鋭いスケーラーという器具を歯周ポケットに入れて、こびりついた歯垢(プラーク)や歯石を除去します。また、歯根部を滑らかに整える「ルートプレーニング」という処置も。歯垢(プラーク)の付着を防ぎ、歯周ポケットが浅くなる効果が期待できます。

歯周病の治療法:プラップ手術

これらの治療で治らない場合は、麻酔をして歯肉を切り開き、歯周ポケットの奥にある歯石を徹底的に取り除く「フラップ手術」が行われます。ただし、治療後は歯肉が下がって、歯が長くなったように見えることがあります。

歯周病の治療法:歯周組織再生療法

歯の土台となる歯槽骨の破壊が進んでいる場合は、フラップ手術の際に、歯槽骨の再生を促す「歯周組織再生療法」が行われることも。

骨が失われた部分にゲル状のたんぱく質を塗る「エムドゲイン法」と、歯肉と骨の間に人工膜を挿入する「GTR法」などがあります。

GTR法

  • GTR法

人工膜(GTR膜)で壁を作り、歯と失われた歯槽骨の間にスペースを確保し、歯槽骨を再生させる。

  • エムドゲイン法

歯肉の増殖は骨の再生を妨げる。そこで薬剤を塗って歯肉の増殖を抑えつつ、骨の再生を促す。

「歯周病の治療は進歩していますが、やはり最も大事なのは悪化予防です。毎日の歯磨きに加え、3〜4か月に1回は歯科でのメンテナンスをおすすめします」(若林さん)

歯周病で歯を失ったらインプラントという選択も

「インプラント」は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法。失った歯を取り戻す方法として、利用者が増えています。しかし最近、問題になっているのが、「インプラント周囲炎」です。「歯周病と同じように、インプラント周囲に細菌感染が起こり、歯槽骨が破壊されます。これを防ぐためにも、必ず歯周病を完全に治してから、インプラントを入れるようにしてください」(若林さん)

歯周病を防ぐ&治す歯磨き、セルフケアのやり方

セルフケアのやり方

歯垢(プラーク)を落とすには、毎日の歯磨きが不可欠。「歯垢(プラーク)は早い人だと1週間くらいで歯石になってしまいます。食べた後は歯磨きを。特に寝る前は丁寧に磨いてください」と若林さん。

丁寧なブラッシングの目安は、1本の歯につき20秒程度。28本の歯が全部残っていれば、合計で約10分かかることになります。お風呂に入りながら、テレビを見ながらの“ながら磨き”でOK。磨き方は以下を参考にしてください。

歯ブラシでの磨き方

歯ブラシでの磨き方

1.歯と歯肉の境目に歯ブラシを45度の角度で当て、歯周ポケットに毛先が入ることを意識して磨く

歯ブラシでの磨き方

2.軽い力で左右に細かく

歯ブラシでの磨き方

3.目安は1か所につき20回

これも大事!

歯ブラシでの磨き方

前歯の裏側は、歯ブラシを縦にして磨くのがコツ

歯周病のための歯ブラシ選びのポイント

  • ナイロン毛がいい
  • 植毛が密なものを (3列が目安)
  • 毛の硬さは普通か、軟らかめ
  • ヘッドは小さめで
  • 柄はストレートのものを

手磨きが難しい人は電動歯ブラシを使いましょう

電動歯ブラシは、効率よく歯垢(プラーク)を落とせる強い味方。「手磨きの約8倍の効果があるといわれています」と若林さん。手磨きで丁寧に磨くのが難しい人は、電動歯ブラシに変えてみては。使い方のコツは、手磨き同様、ブラシを歯と歯肉の境目に当てること、手でブラシを動かさないこと。また、ブラシは上下の表と裏側に30秒ずつ当てるのが目安だといいます。

歯周病を防ぐ&治す歯磨きの仕上げ方

歯磨きに加え、デンタルフロスと歯間ブラシも活用すると、歯垢(プラーク)がよくとれます。歯と歯の隙間が狭い場合はデンタルフロスが、隙間が広くなっている場合は歯間ブラシが適しています。歯の状態に応じて両者を使い分けましょう。1日1回寝る前の習慣として、歯磨き後に行ってください。

「それらが全部終わった後に仕上げとして、殺菌作用のある薬用洗口液で口の中をゆすぐと完璧です」(若林さん)

ここまでケアをすると、翌朝起きたときの口の中のネバネバや口臭が改善しているのを実感できるはずです。

デンタルフロスの動かし方

デンタルフロスの動かし方

フロスは両中指に巻き付けて使う。歯肉に少し隠れるまでそっとフロスを入れて動かし、次に歯の側面をこするようにして上下に動かす

歯間ブラシの動かし方

歯間ブラシの動かし方

まず表側(頰側)から、歯と歯の間に直角にブラシを入れて前後に動かす。さらに歯の曲面に合わせてブラシの角度を変えながら前後に動かす。裏側(舌側)からも同様に

食事の時間帯に注意!歯周病対策のための生活習慣

歯周病対策のための生活習慣

「砂糖を多く取ると、歯の表面にネバネバした歯垢(プラーク)が付きやすくなります。また、歯垢(プラーク)に砂糖が取り込まれると、乳酸が発生。この酸が歯を溶かし、虫歯を作ります。歯周病にとっても、虫歯にとっても、砂糖は大敵なのです」と若林さん。

そこで気を付けたいのが、砂糖の取り方。一番よくないのは、甘いお菓子を頻繁につまんだり、飴をなめたりと、ダラダラ食べ続けることだといいます。「おやつなどでまとめて食べて、その後はすぐに歯磨きを。口の中に砂糖がとどまらないようにすることが大事です」(若林さん)。

歯周病に詳しい歯科の“かかりつけ医”を持つ

口の中をしっかり清掃してくれる。丁寧に歯磨き指導をしてくれる。安易に抜歯したりしない――。

歯周病を本気で予防・治療するなら、そんな歯科医を選びたいもの。そこでぜひ参考にしてほしいのが、日本歯周病学会と日本臨床歯周病学会のサイトです。ここでは、学会が認めた歯周病に詳しい歯科医、および歯周病とインプラントに詳しい歯科医を都道府県別に検索できます。歯科にも“かかりつけ医”がいれば安心ですね。


歯周病専門医・認定医を探せるサイト

  • 日本歯周病学会
  • 日本臨床歯周病学会

取材・文=佐田節子 イラストレーション=田上千晶 構成=五十嵐香奈(ハルメク編集部)
※この記事は、「ハルメク」2019年6月号の記事を再編集しています。
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。


 

配信元: HALMEK up

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