「生活が苦しい」58.9%の現状、日本の貧困率を世界と比較すると

日本の相対的貧困率は?OECD国際比較で見る立ち位置

相対的貧困についてOECDが2021年に行った調査結果によると、日本は以下のように上の方に位置づけられます。

一方、17歳以下の子ども全体を対象にした貧困率調査では、中間的な位置づけとなっています。先に触れたように、ひとり親世帯などへの国や自治体の支援策が奏功しているものと思われます。

OECD相対的貧困率国別比較・OECD子供の貧困率国別比較 出典:OECD Income Distribution Database(IDD)/2021年データ(一部は各国直近年)/可処分所得中央値の50%未満で生活する人口の割合    

国・自治体の貧困対策、子ども食堂・教育無償化の取り組み

近年、ひとり親世帯の貧困率は50%を下回ってきているとはいえ、今なお非常に高い水準にあります。政府・自治体はもちろん、NPOや大手企業など官民一体となって積極的な支援が行われています。

その理由として、「ひとり親世帯」が貧困水準にあると、その子どもは充実した教育を受けられない可能性があり、これが教育格差となるからです。教育水準と所得は、強い相関があると言われています。貧困により教育・進学機会が制限された子どもが大人になり世帯を持つと、また貧困世帯に該当するといった負のスパイラルが考えられるため、「ひとり親世帯」の貧困を解決することが貧困問題全体の大きな一歩になると捉えられているのです。

これを解決するため、国レベルでは幼児教育・保育の無償化、高等学校等就学支援金制度による授業料の減免のほか、返済不要の高等教育の修学支援新制度を通じて進学のハードルを下げています。また3人以上子どもがいる世帯に対する大学の授業料無償化制度も始まっています。

自治体レベルではより生活に密着した支援も行われています。その一つが「子ども食堂」です。飲食店が善意で行っている場合もありますが、自治体が運営費の補助や場所の提供などのバックアップを行うなど、子どもが気軽に食事ができる環境を整える自治体が増えています。

筆者も子ども食堂を運営する人に会って話を聞いたところ、「ひとり親の子ども」や「貧困に苦しんでいる子ども」のみを対象にし、しかも無料で飲食できるとなると逆に行きづらさを感じるということで、100円程度の料金を取って「誰でも利用できる子ども食堂」を運営しているということでした。また「子ども食堂」という名前になっていますが、親も一緒に食事ができる場を提供している自治体も増えているようです。このように、気軽に利用しやすくなる仕組みが整えられています。

その他にも、経済的な理由で塾に通えない子どもなどを対象に学ぶスペースや機会を提供するといった活動を行っている自治体もあります。より一層こういった活動が拡大していくことを望みます。

配信元: mymo

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