小林涼子「二つの仕事をめぐる循環が生む、健やかな自分」

小林涼子「二つの仕事をめぐる循環が生む、健やかな自分」

東京で自然と再接続する、“ニュー里山”という実験

2026年3月には、高輪ゲートウェイ駅直結の「TAKANAWA GATEWAY CITY」に、「AGRIKO×MIMURE BOTANICAL Lab」がオープンした。構想から完成までにかかった時間はおよそ4年。小林さんが目指したのは、東京にいながら自然と再接続できる“ニュー里山”だった。

小林:
新潟には、山菜や果物、野菜が身近にある里山の豊かさがあります。東京にいながら、そうした里山の気持ちよさを感じられて、ラボのようなスタイリッシュさやクリーンさもある場所にしたいと考えました。ここに来た人には、収穫やものづくりを通して、何かしらの“手触り”を感じてほしいんです。

農業の仕組みを見せるだけでなく、実際に触れ、味わい、疑問を持ってもらうこと。Labは、小林さんが農業と都市の間に新しい接点をつくる場所でもある。

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俳優業と農業、二つの現場で見つけた「伝える」という役割

農業に出会って10年以上。会社を立ち上げた後も、俳優業を止めたことはない。二つの仕事を続ける中で増えたのは、役割だけではなく、ともに働く仲間だった。小林さんの話からは、すべてを一人で背負うのではなく、それぞれの専門性を信頼する姿勢が見えてくる。

小林:
振り返って大きな変化としては、なんといっても仲間が増えたことですね。俳優業と農業、会社としての活動が両立できるのは、常に理解して支えてくれるマネージャーや会社の仲間の存在が大きいです。

俳優業って明確にチームワークなんですよね。カメラマンさんやヘアメイクさん、そのほかたくさんのスタッフさんが関わることで、私自身も俳優としてお芝居に集中させてもらえる。それはAGRIKOの活動でも同じなんです。みんなが専門的な知識を持ち寄って、ひとつの目標に向かって走る。

いまだに現場で緊張するし、台本をいくら覚えてもうまくいかないことがある。キャリアを重ねるとついそんな自分が恥ずかしく、許せなくなる瞬間があるけど、農業ではまだまだ教わる立場なんです。
それが私自身をフラットにしてくれて、キャリアの長さではなく素直に目の前のことを「頑張ります!」って言えるようになりました。俳優業と農業、両方から良い相互作用を感じられるのはとても素晴らしいことだと思います。

その上で、リスペクトを込めてあえて思うのは、私は専業農家にはなれないということ。作物を一目見て収穫どきを見極められる技術はないですし、お米の収穫だって農繁期に10回ちょっとやっただけなんですよ。

そんな私ができることはやはり「伝えること」なのかもしれないと改めて考えています。農業は10年少々ですが、俳優としては30年以上のキャリアがある。年中、忙しくしている農家さんに替わって、農業の魅力やそこで作られる作物の背景を私が伝える役割を担いたいと思っています。「AGRIKO×MIMURE BOTANICAL Lab」はそのための場所でもあるんですよ。

配信元: Harumari TOKYO

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