「日本はまだやり直せる」安倍元首相が“スカした”トランプからのチャンスを高市首相は掴めるか/倉山満

「日本はまだやり直せる」安倍元首相が“スカした”トランプからのチャンスを高市首相は掴めるか/倉山満

◆アメリカの申し出を”スカした”安倍晋三元首相

 これを見事にスカしたのが、当時の安倍晋三首相である。いち早くトランプの就任前に訪米し「日本の自主防衛は現実的ではないと説得した」と自慢げに語っていた。安倍晋三が語っていた「戦後レジームからの脱却」とは何だったのか。戦後さんざん日本の自立を邪魔してきたアメリカから「大国に戻ってくれ」と頼んできたのだから、「はい喜んで」と応じれば良いではないか。

 ただ、それも時は流れ、岸田文雄首相の時代に「防衛費GDP2%突破」「防衛計画の抜本的見直し」に着手した。

 そして現在の高市早苗首相である。

 今年の正月頃、自民党代議士と「高市さんは運がいい。内閣の命運を懸けなくても、皇室典範改正などという歴史に残る偉業を達成できるのだから」と笑いあっていたものだ。最終局面での不手際の連発と法案の出来の悪さから、とても歴史に残る偉業であるとは言えなくなったが。高市首相、皇室に興味が無いのがバレてしまった。ただし、これは致命傷ではない。

◆日本を大国に戻すための政策とは何か

 しかし経済には熱心だったはずだ。なぜか衆議院で圧倒的多数を持ちながら、肝いりの消費減税さえ進まなかった。減税そして景気回復などさっさとやってもらって、日本を大国に戻すための政策に着手してもらいたいのだが。

 日本を大国に戻すための政策とは何か。自衛隊を軍隊にすることである。あらゆる意味で自衛隊は軍隊ではない。ヒト・モノ・カネが足りない。軍隊としての法体系が整備されていない。何より、「軍隊としてどうやって戦うのか」を考えていない。

 同じ防衛費を増やすのでも、アメリカに言われた宿題だからやるのと、大国に戻るつもりで増やすのでは意味が違う。

 何より大事なのは、国家意思だ。行政のルーティンをこなすのが政治だと思ってもらっては困る。進むべき道を示すのが総理大臣だ。

―[言論ストロングスタイル]―

【倉山 満】
憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。トランプ再来で揺れる世界を見通すための新章を追加したベストセラー『増補版 嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社新書)が発売中
配信元: 日刊SPA!

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