旅行より贅沢かも?「日常という名のリゾート」を我が家の庭に描くヒント

旅行より贅沢かも?「日常という名のリゾート」を我が家の庭に描くヒント

リゾートガーデン

自宅で「非日常」の癒やしを感じられる“リゾートのような庭”が、今注目を集めています。遠出をしなくても、我が家の庭は「心身を回復させる最高の場所」になるのです。 庭を単に植物を育てる場所ではなく「人生を楽しむ舞台」と捉え、暮らすこと30年。 ガーデンプロデューサーの遠藤昭さんが、数々の失敗から見出した「日本の気候で無理なく持続できる庭づくりのコツ」と、日常を極上の時間に変える「生き方としての庭」のヒントを紐解きます。

リゾートガーデンのすすめ——家でリゾート気分、はじめませんか

リゾートガーデン
生き生きとしたサボテンが非日常感をプラスする庭。Nithiphon Chuaimak/Shutterstock.com

私のガーデニングの原点は、幼い頃にまでさかのぼる。母が花好きで、幼稚園の頃には一緒に花壇づくりをした記憶がある。中学生になるとサボテンに夢中になり、いわゆる「サボテン少年」だった。メキシコに憧れていた時代だ。高校時代には観葉植物に傾倒し、部屋にはいくつもの鉢が並んでいた。大学時代は、通販でフェニックスの種子を購入して育てたりもした。トロピカルリゾートに憧れていた時代である。

カナリーヤシ
ダイナミックなカナリーヤシ(フェニックス)がリゾート感をプラスする庭。Marinodenisenko/Shutterstock.com

その後、大学のゼミでは「観光事業論」を選び、就職先には当時リゾート事業に参入していた楽器メーカーを選んだ。しかし、社会人となり転勤生活が続く中で、リゾート事業に直接関与することはなかった。ガーデニングからも一時遠ざかっていた時期である。

転機が訪れたのは30代後半。オーストラリア・メルボルンに駐在し、300坪の庭を持つ家に暮らすことになったとき、私の中でガーデニングの情熱が再び息を吹き返した。それは単なる趣味の再開ではなく、日本のサラリーマンとしての価値観を根底から揺さぶる体験——いわばカルチャーショックであった。

アウトドアライフ
ガーデンは、開放的で話も弾むもう一つのリビング。Artloca/Shutterstock.com

オーストラリアの人々は、庭を単なる「手入れの対象」としてではなく、「人生を楽しむ舞台」として活用していた。家族や友人とBBQを囲み、趣味、教育、そして人生について語り合う豊かな時間。その姿に触れたとき、ガーデニングとは植物を育てる行為にとどまらず、人生の質そのものに関わる営みであると気づかされた。庭そのものが、リゾートだったのである。

リゾートガーデン
オージープランツが育つ我が家のリゾートガーデン5月の様子。

帰国後、横浜に住まいを構え、限られた空間の中でオーストラリアの植物を育て始めた。それが私の「オージーガーデン」の始まりである。以来30年、私は庭を通じて、あの時メルボルンで感じた豊かなライフスタイルを再現しようと試行錯誤を続けてきた。

私にとってオーストラリアは「思い出」であり、「当時の豊かなライフスタイルへの憧れ」そのものである。

はじめてのオージープランツ図鑑

この30年間、当時はまだ知られていなかったオージープランツの魅力をSNSなどで発信し続け、5年前にはその集大成として『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版社)を上梓した。最近では、若い愛好家たちが次々と新しい情報を発信してくれるようになり、感慨深いものがある。

ガーデニングの本質とリゾートの本質

リゾートガーデン

この30年で、ガーデニングを取り巻く環境は大きく変化した。特にコロナ禍以降、人々の生活には「余白」が生まれた。ガーデニングもまた、流行を追う消費的な趣味から、「自分自身の時間をどう過ごすか」という、より本質的な行為へと変わりつつあるように思う。

ここで改めて問い直してみたい。

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