25歳で2000万円の借金…すべてを失った男が人気のルイボスティ専門店を全国展開できた理由

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◆◆「戦わない経営」の本質


――吉田社長は「常識を疑う」という考えをお持ちですよね。それはどのような思考プロセスを指しているのでしょうか。
吉田 やれることはないと思っていること自体が、常識に振り回されている証拠だと思っています。どの企業にも、やりたくないこと、作りたくないものがある。それを見抜くことが大事なんです。

 たとえばテレビのビール広告は、おいしいからではなく、粗利率がいいからやっているわけです。企業は利益のために動いている。だとすれば、企業の常識は世の中の非常識なはず。そう考えると、まだまだチャンスは見つかります。

――「99%戦わない」経営のなかで、残りの1%に力を注いだのは何でしょうか。

吉田 誰もやらないこと、誰もやりたくないことです。全商品を無料で試飲できるスタイルがそれにあたります。5種類からスタートして、20、30、40種類と増えるにつれ、すべてを試飲提供するのは店舗への負荷が大きくなる一方です。でも、誰もやりたがらないからこそ差別化になる。

 後発で資金力のない会社が厳しい市場で生き残るために唯一できること、それは苦労することと知恵を絞ることです。

――渋谷の「ヒカリエ」への出店が創業から8か月で実現したのも、その哲学があったからでしょうか。

吉田 東急百貨店の方に最初に言われたのは、「私たちは新しいサービスを探している」という一言でした。売上の話をする前に、「弊社がここにいることで、このフロアにこんな賑わいが生まれます」というプレゼンができたことが響いたのだと思います。

 セルフ販売・無人化が進む中で、全種類を試飲できておしゃれなテイスティングバーというのは、商業施設にとっても魅力的な提案だったんです。その相談は15分ほどで決まりました。

◆◆若い世代へ伝えたいこと

――もし今、20歳の頃の自分に会えるとしたら、どんな言葉をかけますか。

吉田 何も言いません。遠回りで不器用な人生を歩んだからこそ、心の筋肉=忍耐力が育てられた。語学力も、ビジネスセンスも、多くの経験によって磨かれました。

 長い人生においては、夢が遠ざかるような時期もほんのわずかな時間にすぎない。そこを乗り越えることで大きく成長できる。だから、何も言わなくていいんです。

――最後に、若い世代へ伝えたい人生の教訓をお聞かせください。

吉田 まず夢を持ってほしいですね。学生時代に優秀だったり人気者だった人が、社会に出てから成功しているケースをあまり見たことがないんです。学生は「自分が優秀であること」が評価される世界ですが、社会では「他人を幸せにする人、他人を成功させる人」が評価される。その基準の違いを、若いうちに知っておいてほしい。

 もう1つ、夢の持ち方が大事だと思っています。「いい会社に就職したい」「金融機関で働きたい」というのは夢ではなく、手段です。まず人生で何を成し遂げたいかという大きな夢を持つ。私が若いころに持っていた「ビッグになる」というざっくりしたものでいい。抽象的でかまわない。その夢をもとに具体的な手段を考えていけばいいんです。

【プロフィール】吉田一治(よしだ・かつじ)
H&F BELX Holdings株式会社代表取締役社長。実業家・ブランドプロデューサー。デカフェ・ノンカフェイン専門ブランドを全国展開。20 代で多額の借金を経験後、中国・アメリカへの留学を経てMBA を取得。外資系企業や大手企業での経験を積みながら、「人生は後半で逆転できる」という独自の哲学を築く。長年にわたり、事業再建、人材育成、商品開発、海外ビジネスに携わり、“ 遅咲きの成功論” を発信。効率化、拡大、スピード、成果主義——。多くの人が正しいと信じる“ 常識” に疑問を投げかけながら、「人生を守るための経営」を追求。初の著書『常識を疑え――99%“戦わない”経営 実践編』では、「常識を疑え」というメッセージを通じて、“99%戦わない”独自の経営哲学のもと、これからの時代の豊かさと成功のあり方を描いている。

配信元: 日刊SPA!

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