観葉植物好きなら、ミニ盆栽もきっと好きになる|初心者向けの始め方・育て方

観葉植物好きなら、ミニ盆栽もきっと好きになる|初心者向けの始め方・育て方

観葉植物のように楽しむという、新しい入口

盆栽が世界的にブームということは分かりましたが、さて、私たち観葉植物愛好家たちが、盆栽を楽しむにはどうすればよいでしょうか?
そこで今回は、東京・南青山でを営む小池誠宏さんにお話をうかがいました。
実は小池さんも、もともとは観葉植物を趣味としていた1人。
観葉植物の魅力を知っているからこそ見えてきた、盆栽ならではの面白さや楽しみ方について語っていただきました。

小池さん
小池盆栽店代表取締役の小池誠宏さん

そもそも、観葉植物と盆栽は、何が違う?

観葉植物と盆栽は、どちらも植物を育てて楽しむという点では共通しています。
しかし、その楽しみ方には大きな違いがあります。
観葉植物は、美しい葉や個性的な樹形を楽しむことが中心です。
一方、盆栽は葉だけでなく、幹の太さや曲がり方、枝の伸び方、さらには土の上に現れた根までもが鑑賞の対象になります。

根も、幹も、枝も作品になる

根張り

盆栽の世界では、幹元から四方へ美しく広がる根の姿を「根張り(ねばり)」と呼びます。
大地にしっかりと根を下ろした大木を思わせる根張りは、樹齢を重ねた風格や生命力を表現する、盆栽に欠かせない見どころのひとつです。
幹の太さや曲がり方、枝の伸び方、葉の付き方まで、そのすべてが1鉢の表情をつくる大切な要素です。

ワイヤーがけ

さらに盆栽では、剪定によって枝数を調整するなどして理想の樹形へと少しずつ育てていきます。
このように葉だけではなく、根、幹、枝、それらが織りなす完成度の高い樹形を楽しめることが、観葉植物とはまた違う盆栽ならではの魅力です。

成長を楽しむ観葉植物、作り込んでいく盆栽

園芸店で販売されている観葉植物は、インテリアとして楽しめるよう、美しく仕立てられた状態で店頭に並んでいることがほとんどです。
そして購入後は、育てながらその成長を楽しみますが、年間を通して劇的な変化を見せるものではありません。

一方で盆栽は、春の芽吹きや秋の紅葉、そして冬の落葉(落葉樹の場合)と、季節ごとの変化を楽しみながら、その中で手を加え、少しずつ自分だけのオリジナルな1鉢へと育てていくものです。

同じ樹種でも、一年後、三年後、十年後、育てる人によってその姿は大きく変わります。
そして、育てた時間そのものが1鉢の価値となり、その木だけのSTORYになっていくのです。

小池さん

まずは「好きな1鉢」を迎えればいい

こうして述べると、けっこうハードル高くない? 観葉植物を育ててきた自分には無理じゃない? と思うかもしれません。
確かに、盆栽は樹木。基本的に屋外で育てる植物なので、観葉植物とは栽培の考え方が違う部分もあります。
しかし、観賞という観点では、扱いやすいミニ盆栽であれば、1〜2週間ほど室内に飾って楽しみ、その後しばらく屋外で管理するというように、暮らしの中で移動させながら楽しむこともできます。

入れ替え

大きな盆栽では、外↔︎部屋の出し入れだけでも大変ですし、何よりも移動のたびに枝折れなどの心配も伴いますからね。
ミニ盆栽のそんな取り回しのよさこそが、観葉植物を楽しんできた方におすすめしたい最大のポイントなのです。

もちろん、管理にはいくつかのポイントがあります。
詳しい育て方は後ほど紹介しますが、基本的には難しく考えすぎなくても大丈夫!

まずは「好きな1鉢」を迎えればいい。

かがやき

観葉植物を選ぶとき、「育てやすいから」という理由だけではなく、「この植物、かっこいい」「この樹形が好き」と、直感で手に取った経験がある方も多いのではないでしょうか。
盆栽も、それでいいのです。
最初は余計なことを考えず、自分のインスピレーションで『好きな1鉢』を選んでください。

知識や技術は、その1鉢と過ごす時間の中で少しずつ身についていきます。
まずは心惹かれる盆栽を迎えること。
それが、盆栽の世界へのいちばん自然な入り口なのです。

最初の1鉢は、どんな盆栽がおすすめ?

小池さんおすすめの初めて迎えたいミニ盆栽8選

小池盆栽店の盆栽はすべて創業150年を誇る老舗盆栽園「深谷根岸園」によるもの。
直営店なればこそ、最高品質の盆栽をお手頃価格で購入できます。
※販売は南青山の実店舗のみとなります。

⚠取材当時(2026年6月)の樹勢及び価格です。在庫は直接店舗にでお問い合わせください。

苔玉紅しだん:樹齢約8年

苔玉紅しだん
樹高(受け皿含む):19cm 最大広がり幅:14cm 価格:4,950円(税込)

コロンとした丸い苔玉に、樹齢約8年を数える紅紫檀(ベニシタン)の月日がぎゅっと詰まった「苔玉紅しだん」。足元の白い玉石が爽やかさを添え、昨今の暑い季節に一服の清涼感を与えてくれます。モダンなインテリアにもしっくり馴染み、コンパクトながらも確かな見ごたえがあります。

苔玉紅しだん
苔玉紅しだん

紅葉(モミジ) :樹齢約8年

紅葉(モミジ) 
樹高(鉢含む):25cm 最大広がり幅:25cm 価格:6,160円(税込)

小さな森林を思わせる、すっと伸びた幹立ちが印象的な「紅葉(モミジ)」。鮮やかな青い鉢と瑞々しい青葉のコントラストが洗練された空間を演出し、洋室・和室を問わず心地よく馴染みます。樹齢約8年が醸し出す自然の情景が、日々の暮らしに爽やかな風と季節の移ろいを運んでくれます。

紅葉
紅葉
秋は燃えるような紅葉を眺めながら一献🍶

紫杜松(ムラサキトショウ):樹齢約12年

紫杜松(ムラサキトショウ)
樹高(鉢含む):26cm 最大広がり幅:14cm 価格:9,350円(税込)

樹齢約12年が育んだ力強い幹のくびれと、密度高く仕上がった葉姿が圧巻の「紫杜松」。温かみのある焼き物の鉢と調和し、どこかほっとする素朴さと格調高さを兼ね備えています。日常の空間にひとつ置くだけで、本格的な盆栽の奥深い魅力をじんわりと感じさせてくれる1鉢です。

紫杜松(ムラサキトショウ)
裏側から。
紫杜松(ムラサキトショウ)

欅(ケヤキ):樹齢約25年

欅(ケヤキ)
樹高(鉢含む):22cm 最大広がり幅:19.5cm 価格:11,000円(税込)

樹齢約25年という歳月が生み出す、圧倒的な葉の密度と美しい樹形が魅力の「欅」。伝統的な柄が描かれた染付の鉢が、青々とした葉の美しさをさらに引き立て、品格のある佇まいを演出します。小さな鉢の中に豊かな大樹の面影が広がります。

欅(ケヤキ)
欅(ケヤキ)

岩シデ:樹齢約18年

岩シデ
樹高(鉢含む):38cm 最大広がり幅:40cm 価格:11,000円(税込)

樹齢約18年という歳月が刻まれた、味わい深い幹の質感が目を引く「岩シデ」。川の流れのように湾曲した白い幹肌と、しなやかに広がる枝ぶりが織りなす姿は、まるで絵画のような美しさです。コンパクトなサイズ感ながら、本格的な盆栽の風格を楽しませてくれます。

岩シデ
岩シデ

真柏(シンパク):樹齢約18年

真柏(シンパク)
樹高(鉢含む):30cm 最大広がり幅:24cm 価格:16,500円(税込)

樹齢約18年が創り出す、古色蒼然とした幹の質感と、緻密に茂る葉姿が圧巻の「真柏」。自然の厳しい環境を生き抜いた歴史を感じさせる力強い佇まいは、洋室・和室を問わず、空間に格調高い和の深みをもたらします。コンパクトなサイズながら確かな存在感を放つ1鉢です。

真柏(シンパク)
真柏(シンパク)

この株の最大の見どころは、幹にある「舎利(シャリ)」と呼ばれる傷です(写真上)。これは、樹木が厳しい自然環境に耐える中で、幹や枝の1部が枯れ、樹皮が剥がれて白骨化した姿を人の手で再現したもの。何年も先を見据えて意図的に施すこの技は、まさに職人芸の極致です。

真柏(シンパク):樹齢約20年

真柏(シンパク)
樹高(受け皿含む):20cm 最大広がり幅:20cm 価格:18,700円(税込)

樹齢約20年の歳月を、わずか20cmの樹姿に凝縮した「真柏」。風格ある幹と緻密に茂る葉が織りなす姿には、侘び寂びの美が息づいています。小さな1鉢でありながら、その存在感は格別。飾るだけで、空間に深い情緒と安らぎを添えてくれます。

真柏(シンパク)
真柏(シンパク)

五葉松(ゴヨウマツ)ハート:樹齢約15年

五葉松(ゴヨウマツ)ハート
樹高(鉢含む):18cm 最大広がり幅:14.5cm 価格:17,600円(税込)

コロンとした黒い丸鉢から伸びる幹が、愛らしいハートを描く「五葉松(ゴヨウマツ)ハート」。樹齢約15年をかけ、職人が遊び心を込めて仕立てた1鉢です。伝統ある五葉松の気品と、ハート型の可愛らしさが絶妙に調和し、空間に和やかな彩りを添えてくれます。大切な人への贈り物や、自分へのご褒美にもおすすめです。

五葉松(ゴヨウマツ)ハート
五葉松(ゴヨウマツ)ハート
hatena ▼補足:🤔【盆栽は、どんなところで価格が決まるの?】
「盆栽は高価なもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
もちろん、何十年、何百年と育てられた名品には高い価値が付きます。
しかし、初心者向けの小ぶりの盆栽(ミニ盆栽)であれば、数千円から購入できるものも少なくありません。
では、そもそも盆栽の価格は何によって決まるのでしょうか。

小池さんによると、盆栽の価値は樹齢だけで決まるものではありません。
幹の太さや力強さ、自然な樹形、根張り、枝ぶり、そして鉢との調和など、さまざまな要素を総合的に評価して価格が決まります。そのため、同じ樹種でも価格が大きく異なることは珍しくありません。
例えば、最後に紹介した「五葉松ハート」は、幹をハート型に仕立てるため、熟練の職人が何年もかけて丁寧に作り上げた一鉢。
ミニ盆栽でも、樹種や施された技術次第では数万円の価値を持つものもあります。

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