そんな風潮の中でも、従業員に対してカスハラを行う客が後を絶たない。今回、困ったカスハラ客の実態を教えてくれたのが、北関東にある某居酒屋チェーン店で店長を務める神田りょうさん(仮名・30代)だ。神田さんの店舗でも最近、悪質なカスハラ被害が発生した。

◆厄介な常連客に手を焼いていた
「私の店舗は、若者だけでなく、幅広いお客様にご利用していただいています。基本的に楽しく利用していただいていますが、中にはトラブルを起こす人もいる。この前、騒動を起こしたのは、頻繁に来店していた70代くらいのシニア客でした。あまりにひどいカスハラだったので、警察を呼んだほどです」神田さんの店舗でトラブルを起こした70代の男性客だが、週に一度は来店するほどの常連である。
「そのシニア客は、必ず週に一回のペースで、ふらりと夜の時間に来店していた。飲み放題で、毎回かなりの量のお酒を飲み泥酔状態で帰っていたので有名でした。また、若いアルバイトスタッフに話しかけるのが好きで、飲み物のおかわりを持っていくときなど、世間話を仕掛けてきていた。一度話しかけられると長く拘束されるので、嫌がっているスタッフもいたほど。ただ、スタッフに話しかけてはいけないというルールはなく、常連なので注意ができなかった。あまりにスタッフが嫌がっていたので、自分が店舗にいる時は接客するようにしていたのですが、ちょっと迷惑していました」
◆横柄すぎる態度に堪忍袋の緒が切れそう
個人経営の居酒屋なら、店主と楽しく話しながら飲むことはあるが、神田さんの店舗はチェーン店。飲み放題システムがありスタッフは忙しく、常連客のトークに付き合う暇がないのが本音だ。この雰囲気が伝わったのか、そのシニア客は徐々に横柄な態度になった。「割と気さくなタイプの客だったが、トラブルが起きる数ヶ月前から、スタッフにクレームを入れるようになっていた。提供する料理やお酒を届けるのが遅いという注意や、会計の対応が悪いなど些細なことへのクレームでした。クレームが出るたびに、店長である自分が謝っていたのですが、その対応も図に乗らせてしまったようで、毎回のように文句をつけるようになった。スタッフもかなりのストレスを感じていました」

