◆ついに壁にグラスを叩きつけるまでに
いつの間にか、クレーマーへと変貌したシニア客は、とあるスタッフの対応に激昂し、大きなトラブルを起こした。「そのシニア客は平日に通っていたが、トラブルがあった日は週末の土曜日に来店した。予約なしでふらりと来たので、席が空くまで15分ほど待ってもらったのですが、その時から不機嫌モードでした。また、その日は満席で料理やお酒の提供が遅れ、そういった対応も気に入らなかったようです。何度もスタッフを呼び出し、料理が遅いなどクレームを付けてきた。あまりにしつこいので、対応した女性スタッフが話を途中で打ち切って仕事に戻ろうとしたのですが、その態度に激昂して自分が飲んでいたグラスを壁に叩きつけて粉々に割ったんです。しかも、他のお客様の前で女性スタッフに説教をはじめた。女性スタッフは泣きだし、周りにいたお客様から悲鳴が上がりカオスな状態になりました」
異変を察知して神田さんが駆けつけたが、シニア客は手が付けられないほど大暴れした。
「自分の頼んだ料理も壁に投げつけ、収集がつかない状況でした。仕方ないので警察を呼び、他のお客様に危害が出るといけないので、自分がそのシニア客をスタッフルームに連行したんです。その間も、私に罵詈雑言を浴びせ、店を潰してやるなど脅迫めいたことも言っていた。結局、警察官が来るまで押さえつけておくことになりました」
◆家族連れで土下座謝罪
大暴れしたシニア客は警察に連行されたが、被害にあった女性アルバイトはトラウマになり、お店を辞めてしまった。「なにより許せないのは、大切なスタッフに危害をくわえたことです。そこで、本部に掛け合ってカスハラの被害を受けたとして、そのシニア客を訴えることにしました。警察に事情を説明して住所を聞き出して被害届を出し、内容証明を送ることにしたんです」
悪質なカスハラ客に制裁を下すべく、強硬手段に打って出た神田さん。その後、なんとそのシニア客は、家族に連れられ店舗に謝罪に来た。
「数日後、遠方に暮らす娘さんに付き添われ、問題を起こしたシニア客が来店した。泣きながら土下座して謝罪し、訴えを取り下げて欲しいと言ってきたんです。自分の親の世代の人が土下座する姿を見て、ドン引きしてしまいました。娘さんも泣いて謝罪し、許して欲しいと何度も頭を下げているのを見て、結局は訴えを取り下げたんです。ただ、カスハラ被害にあった女性スタッフは心に傷を負ってしまい、バイトも辞めたので誠意を見せて欲しいと伝えました。後日、被害にあったスタッフには、キチンと謝罪してお見舞金などを渡したようです。当然ですが、そのシニア客は店舗を出禁にしました」

