上野アメ横の“一斉摘発”から3ヵ月も…警告に従わない店舗が後を絶たず「路上営業がなくならない」理由【現地レポート】

上野アメ横の“一斉摘発”から3ヵ月も…警告に従わない店舗が後を絶たず「路上営業がなくならない」理由【現地レポート】

◆「三密対策」が数年を経て仇に?

アメ横
コロナ禍が衰えていない頃は路上席も必要だったが……
アメ横の路上を不法に占拠する椅子とテーブルの問題については、既に複数メディアで経緯が報道されている。簡潔に整理すると以下のとおりだ。

ことの起こりは、2020年以降のコロナ禍であった。当時はいわゆる「三密」への対応へ追われる飲食店を支援するため、路上営業の基準が一時緩和される。屋外に座席数を広げるスタイルは、三密のうち「密閉」と「密接」を避けるために都合が良かったのだ。

しかし、路上営業はコロナ禍の収束後も続いた。日本へ再びインバウンドが押し寄せるようになり、アメ横の客も回復していくにつれ、一部店舗による不法な道路占拠が深刻化。110番通報や住民・町会からの苦情も日増しに増えていく。商店街の人々はパトロール時に注意喚起を続けるものの、従わない店舗も多々。時には通りの左右から座席が張り出し、通行幅が2m未満になっている所もあったという。

「看板にぶつかった」など苦情の110番は、2025年には43件、2026年は5月までで21件。警視庁からの指導や警告も半年間で約1,500件に及ぶ。5月のアメ横クリーンアップ作戦も、このような状況を強引にでも改善するためのものだ。

だが、警視庁・商店街の努力にも関わらず、今も路上席を出し続ける店舗は多い。パトロールや警察の巡回時だけ片付ける「いたちごっこ」状態が続いているという。背後にあるのは「摘発は一時的なもの」「周りの店もやっているし、自分の店もいいだろう」という意識だと言われている。

一方、警察の取り締まりを受けて改善した店からは「警察へ真面目に対応した店が不利益を被り、ルールを破る店ばかり得をするのは不公平。全店へ平等に厳しく対応してほしい」といった声も聞かれているのだとか。アメ横の居酒屋に足繁く通う人々からも「路上席が無くなるのは寂しい、残したほうが良い」「安全上の問題があるなら仕方がない、ダメなものはダメと対応すべき」など反応はさまざま。アメ横を巡ってコンセンサスがまとまるのは、当分先になりそうだ。

◆「外国人経営の店舗が原因!」というのは早計

アメ横
アメ横は「ガチ中華」系の飲食店や食料品店も豊富
路上席の撤去や摘発が行われてもなお、アメ横の路上席がなくならないのはなぜなのか。思いつきやすい理由のひとつは、コロナ禍以前からの十数年でアメ横の商店やオーナーが大きく入れ替わり、商店街の文化や規則と融和しきっていない新しい店舗が増えたことだろう。 
 
とりわけ中国・東南アジア・インド・中東など外国人経営の飲食店が十数年で大きく増えた点は、普通に商店街内を歩いているだけで実感できるはずだ。「飲食店の半分以上が外国人の経営になった」という声もあり、現在のアメ横は新大久保や高田馬場のような多国籍エリアへ変貌している。

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現在のアメ横になるずっと以前から営業しているカットフルーツ屋
「90年代までは屋台で香具師(やし)が焼く大阪焼の屋台、パイナップルの串刺し、お菓子のたたき売り程度で、飲食は極めて弱かった。それがここにきて急速に拡大し、15年前からケバブや焼き小龍包が人気を博し、海鮮丼屋も繁盛しだした。物販のアメ横から飲食のアメ横に移行しつつある」

(『上野アンダーグラウンド』より抜粋 ※漢数字をアラビア数字に書き換え)

これら店舗の全てが意図的にルール破りをしているとはさすがに思えないが、路上席が当たり前な本国のスタイルを、そのまま日本へ持ち込んでいることも考えられる。筆者自身も何度かベトナムのホーチミン市やハノイへ一人旅に行ったことがあるが、現地でありふれた存在だった路上のカフェ・屋台と、現在の上野アメ横が被って見えるのだ。

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ベトナム・ホーチミン市の路上カフェの様子(※筆者撮影)
だが、上記の理由だけでは新大久保や高田馬場でなく、アメ横にだけ路上席が多いことの説明がつかない。そもそも和風の居酒屋のなかにも、路上席を出している店舗はたくさんあるのだ。


配信元: 日刊SPA!

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