「レバレッジ効果」の落とし穴…政策金利1.0%で一変する不動産投資の勝敗ライン

「レバレッジ効果」の落とし穴…政策金利1.0%で一変する不動産投資の勝敗ライン

不動産投資では、自己資金にローンを組み合わせた「レバレッジ効果」が収益力を大きく左右します。2026年6月、日銀は政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げました。金利の上昇は、このレバレッジ効果にどう影響するのでしょうか。具体的な数字とともに見ていきます。

少ない自己資金で稼ぐ仕組み

不動産投資では、自己資金にローンを組み合わせることで少ない自己資金で不動産を購入し、収益力を高める「レバレッジ効果」を活用するケースが一般的です。

具体例として、不動産価格1億円、年間家賃収入700万円、不動産経費200万円(差引の不動産純収益=NOIは500万円)の物件を、自己資金2,500万円、ローン7,500万円(30年、金利1.0%)で購入したとします。NOIは、年間家賃収入から年間不動産経費を引いたものを言います。

年間のローン返済額は元利均等返済で約290万円となるため、NOI500万円から差し引くと210万円が手元に残ります。

この投資家が自己資金1億円を元手に、同様の物件を4件(1件あたり自己資金2,500万円)購入すれば、手残りの合計は210万円 × 4件 = 840万円となります。全額自己資金で1件購入した場合の手残りが500万円であることと比べると、より多くの手残りを得られる計算です。これが、ローンを組み合わせることで得られるレバレッジ効果です。

政策金利0.75%→1.0%、金利はどこまで上がったか

まず、ここ数年におけるローン金利の環境について整理したいと思います。

コロナ禍以降、急速なインフレが進み日本経済に大きな影響を及ぼしています。金利政策をコントロールする日本銀行(日銀)は政策金利を上げながらインフレの抑制を図っている状況です。

2026年6月の日銀金融政策決定会合において政策金利を従来の0.75%から1.0%へ引き上げをおこないました。

政策金利が上がると金融機関はローン金利を上げます。その結果、変動金利が上昇し住宅ローンなどにも影響を及ぼします。

不動産投資とは異なりますが、住宅ローンの場合は返済原資が給料であるため給料が上がらなければ可処分所得の減少につながります。近年不動産価格の上昇によりペアローンや50年ローンの利用者が広がりましたが、離婚による返済への影響(どちらかがローンを引き取らなければならないが返済する資金がない)や、長期間のローンにより残債(残りのローン)が減らずに金利上昇の影響を大きく受けるなど課題を抱えています。

今後、不動産価格が下落局面に転じれば物件を売却金額でローンの完済をすることが困難となり、八方塞がりになってしまう可能性もあります。

金利に関連する指数を以下に示します。

出所:総務省 2020年=100 (注)インフレを客観的にみる指数、賃貸借契約書などでも消費者物価指数に連動させる条文が入っているケースもある [図表9]消費者物価指数 出所:総務省 2020年=100
(注)インフレを客観的にみる指数、賃貸借契約書などでも消費者物価指数に連動させる条文が入っているケースもある 出所:日本銀行 (注)国の金利政策のベースとなる指数 [図表10]政策金利 出所:日本銀行
(注)国の金利政策のベースとなる指数 出所:一般社団法人全銀協TIBOR運営機関 (注)TIBOR=Tokyo InterBank Offered Rateの略称。東京の銀行間市場における資金調達の基準となる金利指標 [図表11]TIBOR推移 出所:一般社団法人全銀協TIBOR運営機関
(注)TIBOR=Tokyo InterBank Offered Rateの略称。東京の銀行間市場における資金調達の基準となる金利指標 出所:日本銀行 銀行最頻出値 (注)各金融機関が定める短期かつ優良顧客に対して提示する金利 変動金利のベースとなっている [図表12]短期プライムレート推移 出所:日本銀行 銀行最頻出値
(注)各金融機関が定める短期かつ優良顧客に対して提示する金利 変動金利のベースとなっている

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