
◆「辞めたい」と思うことは「最近までずっと」
——2002年の映画デビューから、25年近く経ちました。その間、「もう辞めたい」と思う瞬間はありましたか?貫地谷しほり(以下、貫地谷):ずっとありました。最近までずっと。
——そうなんですか!?
貫地谷:この仕事は、気持ちを入れれば入れるほど、大事にすればするほど辛いこともあります。現場にはスタッフや出演者の方、たくさんの方の「どう撮ろうか」という気持ちが乗ってくる。自分が思っていたこととは違うこともあって、そこにうまく応えられなかったりすると落ち込みます。役を大切に思うほど上手くいかないこともある。
以前、ある作品の完成試写を観て「方向を間違えた」と感じたことがありました。でもそれが後になって、すごく褒められたりして……。のちのち良かった思い出に変わっていくこともあるのですが、「間違えた」と傷ついた瞬間があったのは事実で、そのたびに「辞めたいな」と思ってしまいます。でも、他に何かできることもないんですよ(笑)。
◆テレビの番宣を見て子どもが「ママ」と
——しんどい時の自分なりの処方箋はありますか?貫地谷:とことん落ち込むしかありません。傷ついた思いは私にしかわからないから、周りが励ましてくれても、自分がそう思えないうちはなかなか受け入れられないんです。自分で掴み取ったものがないと浮上できない。とにかく落ちるところまで落ちて、自分で上がってくるしかありません。
ただ、先日、私が出ている番宣のテレビ番組を見た子どもが「ママ」って言って。「ママってわかるの?」と聞いたら、嬉しそうに「うん」と言ってくれました。それを見て、「もうちょっと頑張ろうかな」と思いました。

