夏の食卓を彩る、ハーブのサラダとレモンパスタ
海老のレモンパスタと、フルーツとハムのハーブサラダ
昌栄さんが描いたレモンのデッサン。お母さまからのリクエストで描いた。
日本にはそうめんや冷やし中華のように、夏の食べ物がありますが、イギリスの夏はどんなものをたべるのでしょうか。
「夏はトマトやハーブのサラダ、スイカやメロン、ぶどうやトマトにハムを合わせた一皿、インゲンをさっと炒めたものなど、シンプルな料理をよく食べます。チーズとサワードウブレッドを合わせたり、海老とレモンのパスタをつくったり。素材そのものの味が楽しめる軽やかな食事が多いです。また、夏になると庭で収穫できる茗荷は、私にとっては宝物です」(昌栄さん)。
夏の終わりは温かなスープを。ゆっくりと次の季節の準備をする
解放的なリビング。向かって右手に見えるのは暖炉。イギリスの住宅は夏の暑さは想定しておらず、冬の寒さに合わせている。写真は友人のイギリス人アーティスト夫妻のお宅にて。
「森ぽ」に行く近所の森に自生するブラックベリー。季節の移ろいを感じさせる
秋に森で摘んだ果実で保存食をつくるのが楽しみ。写真はスローの実をジンに漬けた果実酒
夏の終わりから秋の始まりにかけて、昌栄さん流の養生食についてお聞きしました。
「まだ8月だというのに、森はすでに秋の支度を始めていました。数日前の『森ぽ』で、緑から赤へ、赤から黒へと熟してゆくブラックベリーを見つけました。毎年、夏の終わりになると、冷たいものを少しずつ減らし、スープや豆の煮込み料理、温かいお茶を取り入れます。りんごやブラックベリーなどの秋の実りを楽しみながら、体をゆっくりと次の季節に慣らしていきます。
イギリスでは秋になるとスローという濃い紫色の木の実を、砂糖と一緒にジンに漬け込んでスロージンをつくります。そのままでは、渋くて酸っぱい実が、数か月後には赤紫色の甘酸っぱい果実酒になります」(昌栄さん)。イギリスでの暮らしを彩るのが、ガーデニング。長い冬を前にやっておくことは?
「雑草を抜き、庭を掃除して、伸びすぎた枝を剪定します。秋は、咲き終わった花からタネを採るのも楽しみの一つ。ほおずきのようにぷっくりしたナイジェラの実、硬い殻の中に黒いタネが入ったポピー、銀色のコインのように透けるルナリア。小さなタネを集めながら、来年の庭を思い描きます。冬支度をしながら、次の春の準備は始まっているのだと感じます」(昌栄さん)。

