3.砂壁の上に、いきなりクロスは貼れない ── 費用を決めるのは「下地処理」
砂壁や土壁の上に、そのままクロスを貼ることはできません。
必ず下地処理が必要となり、どのような工事が必要になるかによって費用も大きく変わります。
そのため、同じ広さの和室でも、壁の状態によっては数万円以上の差が出ることも少なくありません。
3-1.なぜ、そのままクロスを貼れないのか
砂壁は文字どおり、表面に砂が塗られた壁です。
経年とともに砂がポロポロと剥がれ落ちるため、そのままクロスを貼ってしまうと接着剤(糊)が十分に密着せず、浮きや剥がれの原因になります。
また、砂が剥がれていない場合でも、砂壁特有の細やかな凹凸がクロスに浮き出てしまうので、きれいに仕上がりません。
そのため、クロスへと張り替える場合には、壁の状態に合わせて「下地を作る」という工程が必要です。
3-2.下地処理の3つのパターンと費用感
下地処理には、大きく分けて3つの方法があります。
どの工事が必要になるかは壁の状態によって異なり、下地を作り直すまでの工事が必要になると、クロス代よりも下地工事費のほうが高くなるケースも出てきます。
| 下地 処理 |
内容 | 壁の状態 | 費用感※ (6畳・壁面積30㎡) |
|---|---|---|---|
| 軽 | シーラーなどで表面を固め、 パテで凹凸をならしてクロスを貼る |
砂の落ちが少なく、 下地の傷みが少ない |
3万~4.5万円 |
| 中 | 表面を削り、ベニヤや石膏ボードで 新たに下地を作ってクロスを貼る |
砂が落ちる、凹凸が大きい、 ひび割れがある |
6万~9万円 |
| 重 | 既存の壁を剥がし、新たに下地を 作ってからクロスを貼る |
カビが発生している、 下地が崩れている |
9.5万~12.5万円 |
(※)下地処理のみの費用なので、このほかにクロス代、養生費、廃材処分費、諸経費が加わります
ただし、下地の状態は見た目や手触りだけでは判断できません。
少し砂が落ちる程度でも、実際には下地が傷んでいることもあれば、反対に大きなひび割れがあっても、下地には問題がなく、軽微な補修で済むケースもあります。
つまり「3万円で済むのか、それとも10万円以上かかるのか」は、実際に壁の状態を確認してみなければ判断できません。
そのため、見積もりを比較する際には、「どのような下地処理を提案しているか」に注目することが大切です。
3-3.実際の見積書で見る砂壁・土壁リフォームの費用感
ここまで見てきたように、砂壁のリフォーム費用は下地処理によって大きく変わります。
では、実際の見積書では、どのような工事がどの程度の金額で計上されているのでしょうか。
リフォームガイドが保有する実際の見積書から、砂壁・土壁などの塗り壁の下地処理に該当する項目を抽出し、工事ごとの費用の目安をまとめました(2026年7月時点)。
| 種別 | 工事内容 | 費用感 |
|---|---|---|
| 下地処理 | シーラーで表面を固めてパテで平らにする | 1,000〜1,500円/㎡程度 |
| ベニヤ・石膏ボードで下地を作る | 2,000〜3,000円/㎡程度 | |
| 既存の塗り壁を剥がす | 1,000円/㎡前後 | |
| 土壁・砂壁の廃材処分 | 1㎥あたり5〜6万円程度 | |
| 下地処理が「一式」で計上される場合 | 数万円 | |
| 仕上げ | クロス(壁紙)の張り替え | 1,500円/㎡前後※ |
※クロス(壁紙)の張り替え費用は、一般的な壁でも砂壁でも大きく変わりません
仕上げとなるクロスへの張り替え費用は、どんな壁でも1,500円/㎡前後が目安で、壁の種類による大きな違いはありません。
一方、下地処理の費用に関しては、工事内容によって大きく変わります。
一覧にしてみると下地処理の費用の違いは明確ですが、見積書で「一式」とだけ記載されていると、どんな工事が含まれているのかわかりません。
一見安く見えても下地処理の金額が低く見積もられていると、追加費用によって結果的に高くつくこともあります。
見積書を比較するときには、必ず下地処理の内容と費用を確認しましょう。
【適正価格を知るためには、相見積もりが大切】同じように見える壁のリフォームでも、会社によって工事や見積もりの内容が異なります。
そのため、1社だけでは提案内容や費用が適正かどうかを判断することはできません。
会社選びで失敗しないためには、複数社に現地調査を依頼し、どのような下地処理を提案しているのか、その内容と費用を比較することが大切です。
同条件で比較したいときは、リフォーム会社紹介サイトや一括見積もりサイトの利用がおすすめです。
4.施工事例で見る砂壁・土壁リフォームの効果
ここまで見てきたように、砂壁リフォームの費用は下地処理の内容によって大きく変わります。
では、実際にリフォームをすると、部屋の印象はどのくらい変わるのでしょうか。
砂壁や聚楽壁をクロスへ張り替えた施工事例を見てみましょう。
4-1.聚楽壁を削り、ベニヤ下地でクロス仕上げに
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和室の改装リフォームで、聚楽壁をクロスへと張り替えた事例です。
和の趣を残しつつ洋風の要素も取り入れたいとの希望があったため、既存壁を削り取り、その上からベニヤで下地を作り、クロスで仕上げました。
クロスはデザインや色柄が豊富なので、和室らしさを残した空間にも、洋室のような明るい空間にも仕上げられます。
4-2.築50年の戸建ての砂壁に下地を貼ってクロスへ
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築50年の戸建て住宅で、和室の砂壁をクロスへと張り替えた事例です。
砂壁の上に下地を施工し、その上からクロスで仕上げることで、築年数を感じさせる和室が、明るく現代的な空間へと生まれ変わりました。
築年数が経っている住宅でも、内装材を交換するだけで印象を大きく変えることができます。
出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-17768/
砂壁と聚楽壁では呼び方が違いますが、どちらも「削る → 下地を作る → クロスを貼る」という手順は同じです。

