「保全」(担保評価)とは何か
「保全」については、借入人がローン返済に窮し売却によって金融機関がローンの回収を企図する場合(担保評価)を想定しています。
一般的には、土地については相続税路線価や公示価格を基準として評価を行い、建物については各金融機関が定めている想定建築費から経年減価を控除して評価を行います。具体的に示すと以下の通りです。
土地:路線価500,000円/㎡ × 土地面積100㎡ × 個別格差(土地形状など)95%=500,000×100×95%=47,500,000円
建物:木造単価250,000円/㎡ × 建物延べ床面積200㎡ × (法定耐用年数22年-経年10年)/法定耐用年数22年(≒55%)= 250,000円×200×55%=27,500,000円
土地 47,500,000円 + 建物 27,500,000円 = 75,000,000円
このケースでは7,500万円を担保価値として見ていることになります。
融資額は「収支」と「保全」の低い方で決まる
先述した収支で求めた融資金額が6,000万円、保全で求めた融資金額が7,500万円であるとすれば金融機関の提示する融資金額は低い方の6,000万円となります。
仮に、不動産価格が1億円であったとすれば金融機関は6,000万円を融資し、残りの4,000万円については自己資金を求めることになります。
逆の場合も同様です。担保評価が7,500万円に対して収支が1億円であったとすれば、金融機関は7,500万円まで融資を行います。
金利が低かったひと昔前は「収支>保全」となるケースが多かったように思いますが、昨今では路線価の上昇や金利の上昇に対し家賃の上昇が遅れていることから「収支<保全」となるようなケースも散見されます。
小俣 年穂
ティー・コンサル株式会社 代表取締役
不動産鑑定士
ファイナンシャル・プランニング技能士 1級
宅地建物取引士
