3.就労移行支援の流れ
就労移行支援の流れを、具体的な支援内容を交えて紹介します。

(1)就労相談
まず最初に、障がいを持つ本人やその家族から就労に関する相談が寄せられます。就労移行支援事業所に直接相談が来るケースもありますが、主に相談の初期対応窓口となるのはハローワークや相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター、発達障害者支援センターなどが一般的です。ここで利用者の状況や希望を聞き取り、就労移行支援によるサポートが妥当だと判断されると次のステップにつながります。
(2)就労移行支援
就労移行支援では、まず「個別支援計画」を作成します。個別支援計画とは、利用者や家族との面談を通じ、利用者の希望や就労意欲、障がいの程度、生活状況などを聞き取り、今後の支援方針を定めた計画書を指します。就労移行支援では個別支援計画をもとに支援が提供され、その後は定期的な評価と見直しをおこない支援計画を更新していきます。
就労移行支援のプログラムが始まると、利用者の状況や支援の段階に応じてさまざまな内容が実施されます。通所初期では利用者の適性や課題の把握、体力・集中力・持続力など働くために必要な土台づくりをおこない、通所中期では身だしなみやマナーの習得、職場見学や実習への参加などをおこないます。そして通所後期には求職活動を開始し、就職先とのマッチングやトライアル雇用を実施します。
(3)定着支援
無事就業が決まってから6ヶ月間は、利用者が長く働き続けられるようにアフターフォローをおこないます。6ヶ月経過後は基本的に就労定着支援がその役割を引き継ぎますが、なかには任意でフォローを継続する就労移行支援事業所もあります。
4.就労移行支援で働く
就労移行支援の人員配置
就労移行支援に必要な職種と人数は、障害者総合支援法により次のように定められています。
就労移行支援の人員配置
- 管理者…1人
- サービス管理責任者…1人以上(利用者61人以上の場合は40人あたり1人以上)
- 職業指導員・生活支援員…利用者6人あたり1人以上
- 就労支援員…利用者15人あたり1人以上
*常勤換算の場合
サービス管理責任者の要件・仕事内容・給料
就労移行支援でおこなうサービスの大元となる「個別支援計画」を作成し、サービスが適切に提供されるようマネジメントするのがサービス管理責任者の主な役割です。
〈必要な資格〉
所定の実務経験と研修の修了(自治体により異なる)
〈仕事内容〉
見学対応/利用者との面談・アセスメント/個別支援計画書の作成・評価・更新/関係各所との連絡・調整/職員の教育・指導/サービス全体のマネジメント など
〈平均年収*〉
常勤:413万1,701円
非常勤:150万円
*出典:厚生労働省「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」
サービス管理責任者について詳しく知る
職業指導員の要件・仕事内容・給料
利用者が就労するのに必要な知識や技術を習得できるよう、スキル面に特化して指導するのが職業指導員の主な役割です。
〈必要な資格〉
とくになし
*パソコン操作が可能な方、社会人経験のある方などの条件がある場合も
〈仕事内容〉
利用者との面談/訓練プログラムの企画・実施指導・記録/就業先との連絡・調整 など
〈平均年収*〉
常勤:314万6,006円
非常勤:184万8,737円
*出典:厚生労働省「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」
職業指導員について詳しく知る
生活支援員の要件・仕事内容・給料
主に利用者を生活面からサポートするのが生活支援員の役割です。
〈必要な資格〉
とくになし
*普通自動車運転免許、社会人経験のある方などの条件がある場合も
*介護事業所や障害福祉事業所での実務経験や関連資格が歓迎されることもある
〈仕事内容〉
生活習慣を整える訓練・アドバイス/利用者の健康管理/就労に向けた不安や悩みの相談/ビジネスマナーの指導/支援記録の作成・管理 など
〈平均年収*〉
常勤:303万2,796円
非常勤:204万4,353円
*出典:厚生労働省「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」
生活支援員について詳しく知る
就労支援員の要件・仕事内容・給料
就労支援員は就労全般に関して幅広くサポートをおこないます。
〈必要な資格〉
とくになし
*パソコン操作が可能な方、社会人経験のある方などの条件がある場合も
〈仕事内容〉
利用者との面談/実習先や就業先の開拓/ハローワークや就業先など関係各所との連絡・調整/応募書類の添削/面接対策の指導や面接同行/就職後の定着支援を目的とした職場訪問・相談/支援記録の作成・管理 など
〈平均年収*〉
常勤:333万6,832円
非常勤: 210万9,184円
*出典:厚生労働省「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」

なお、職業指導員、生活支援員、就労支援員の3職種は厳密な棲み分けがされていないことも多く、事業所によっては兼任しているケースや、名称は異なっても業務内容が似ているケースも多いため、仕事を探す際には業務内容をよく確認するようにしましょう。

