養育費を払わない率は75%?支払義務や未払い時の罰則などを弁護士が解説

養育費を払わない率は75%?支払義務や未払い時の罰則などを弁護士が解説

養育費が支払われない。未払いの場合の罰則

では、養育費を支払わなかった場合、罰則の対象になるのでしょうか?

刑事罰の対象にはならない

養育費の支払いが義務であるとはいえ、不払いをした時点で具体的な刑事罰の対象となることはありません。

財産が差し押さえられる可能性がある

刑事罰ではありませんが、養育費を支払わなかった場合には、相手方から財産を差し押さえられる可能性があります。

また、給与を差し押さえる場合は会社へ裁判所から文書が届くため、勤務先の会社に状況が知られてしまうリスクもあるでしょう。

財産開示手続の陳述拒否には罰則がある

強制執行の前段階の手続きとして、裁判所から財産開示を求められる場合があります。

民事執行法の改正により、これに応じなかったり虚偽の申告をしたりした場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰が科される可能性があります。

養育費を支払わない相手への請求方法

相手が養育費を払わない場合の請求方法は次のとおりです。

公正証書がある場合

養育費の支払いについて、あらかじめ公正証書で取り決めていた場合には、その公正証書をもとに強制執行を行います。
具体的には、地方裁判所へ申し立てを行い、給与や不動産など相手の財産を差し押さえてもらう流れとなります。

ただし、相手の財産が不明である場合には、強制執行に先立って財産開示請求などによる財産の調査が必要です。

離婚協議書がある場合

養育費に関する公正証書はなく、夫婦間で取り決めた離婚協議書のみがある場合には、その書類のみをもって強制執行をすることはできません。
この場合には、改めて養育費調停や審判を申し立てる必要があります。

夫婦間で取り決めた離婚協議書に法的な効力があると認められれば、原則としてその内容を踏まえて調停や審判が進んでいく可能性が高いでしょう。

相手方には、この調停や審判の結果に従って養育費を支払ってもらうこととなります。
それでも支払わない場合には、強制執行をすることが可能です。

口約束の場合

公正証書も離婚協議書もなく、単に口約束のみで養育費を取り決めていた場合には、改めて養育費調停や審判を申し立てる必要があります。

離婚協議書がある場合とは異なり、拠りどころとなる証拠がありませんので、離婚協議書がある場合と比べて解決までにさらに時間がかかる可能性が高いでしょう。
調停や審判で養育費の支払い金額などが決まれば、それに従って支払ってもらうこととなり、支払わない場合には強制執行を行います。

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