養育費を払わない率は75%?支払義務や未払い時の罰則などを弁護士が解説

養育費を払わない率は75%?支払義務や未払い時の罰則などを弁護士が解説

裁判所へ申し立てて養育費を請求する方法

裁判所へ申し立てて養育費を請求する方法には、次の3つが挙げられます。

履行勧告

履行勧告とは、調停や審判で決めた養育費を相手が支払わないような場合に、家庭裁判所から相手に対して養育費支払いの「勧告」をしてもらう制度です。
法的な拘束力はありませんが、裁判所から直接履行を勧告されることで、相手方に心理的プレッシャーを与える効果が期待できます。

ただし、履行勧告は、養育費についての具体的な取り決めが家庭裁判所での調停や審判等で行われた場合にのみ利用できる制度です。
それ以外の場合には、利用することはできません。

履行命令

履行命令とは、調停や審判で決めた養育費を相手が支払わないような場合に、家庭裁判所から相手に対して養育費支払いの「命令」をしてもらう制度です。

従わなくても特に罰則のない履行勧告とは異なり、履行命令に従わない場合は10万円以下の過料が課せられます。

履行命令も、養育費についての具体的な取り決めが家庭裁判所での調停や審判等で行われた場合にのみ利用できる制度です。
それ以外の場合には、利用することはできません。

強制執行

強制執行とは、裁判所が相手方の財産や給与などを差し押さえて、義務を履行させる手続きです。
強制的に差し押さえが行われるため、養育費不払いへの対処方法としては最も強い効果が期待できます。

強制執行を行うことができるのは、養育費についての具体的な取り決めが家庭裁判所での調停や審判で行われた場合と、養育費についてあらかじめ公正証書で取り決めをしていた場合です。
この点から、養育費についての取り決めを公正証書にしておくことは、非常に強い強制力を持つといえます。

養育費の減額・免除が認められるケースは?

一度取り決めた養育費について、減額や免除が認められる場合はあるのでしょうか?
ケースごとに解説しましょう。

再婚した場合は?

養育費を支払っている側が再婚した場合はもちろん、親権を持つ側の親が再婚をしたからといって、それのみをもって養育費の支払い義務が消滅するわけではありません。
相手が再婚をしたとしても、子が自分の子であることには、引き続き変わりはないためです。

ただし、子が親権者の再婚相手の養子となった場合には、養育費の減額や免除が認められる可能性が高くなります。

詳しくは、関連リンクをご確認ください。

義務者が自己破産した場合は?

養育費の支払い義務者が自己破産した場合には、既に支払い義務が発生して滞納している養育費と、今後新たに支払い時期が到来する養育費とに分けて考える必要があります。

まず、すでに義務が発生している金融機関からの借入金などは、自己破産により免除(免責)の対象となります。
しかし、養育費の支払い債権は非免責債権とされており、自己破産をしても免責されません。

また、今後新たに支払い時期が到来する養育費についても、自己破産によって当然に減免されるわけではありません。

義務者死亡の場合は?

養育費の支払い義務は、相続される性質のものではありません。
そのため、養育費の支払い期間中に養育費の支払い義務者が亡くなった場合には、もはや養育費を受け取ることはできないと考えてください。

ただし、子は亡くなった元配偶者の相続人となり、財産を相続する権利があります。

また、養育費を受け取っていた子が遺族年金を受け取ることができる可能性がありますので、こちらも確認しておくと良いでしょう。

養育費の減額・免除の流れ

養育費は、再婚や自己破産などで当然に減免されるわけではありません。
しかし、養育費について取り決めた時点から大きく事情が変わった場合には、養育費の減免が認められる可能性があります。

養育費の減免には、次の3つの方法があります。

・当事者同士での話し合い
・家庭裁判所での養育費減額請求調停:裁判所で行う話し合いです。
・庭裁判所での養育費減額請求審判:裁判所が減免の可否や変更後の金額を決める手続きです。

まずは当事者同士で話し合いをし、合意ができればその合意内容に従います。
当事者同士での話し合いがまとまらない場合には、調停や審判を利用しましょう。

養育費の未払い問題は弁護士に相談すべき理由

仮に相手が養育費を支払わない場合には、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

一度や二度のうっかりミスに支払い遅延程度であればまだしも、数ヶ月に渡る滞納や支払遅延の常態化が起きているようであれば、直接本人が交渉したところで改善される可能性は低いためです。

また、自分で無理な請求をしてしまえば、相手方が財産を隠して逃げるなどして余計に取り立てが難しくなってしまうリスクもあるでしょう。
養育費の未払い問題を弁護士に相談することで、その後の強制執行も踏まえた法的な対応が可能となります。

養育費の受け取りは、子の権利です。
必要な養育費をきちんと支払ってもらうため、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

まとめ

養育費の支払いは、親としての責務です。br>
それでも相手方が養育費を支払わない場合には、早期に弁護士へ相談し、厳正な対処をするようにしましょう。

対応が遅れてしまえば、取り立てが難しくなる可能性が高くなってしまいます。

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Authense法律事務所には、離婚問題や養育費の不払い問題に詳しい弁護士が多数在籍しており、解決に向けてサポートいたします。

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