終了まであと1カ月半! 秘境・秋山郷「旧大赤沢分校」の制作の裏側をチラ見せ?「大地の芸術祭」広報スタッフ便りvol.02

終了まであと1カ月半! 秘境・秋山郷「旧大赤沢分校」の制作の裏側をチラ見せ?「大地の芸術祭」広報スタッフ便りvol.02

新潟県十日町市・津南町の里山で11/13まで開催中の「越後妻有 大地の芸術祭 2022」。ピカピカの新米も楽しめる秋シーズンがスタートした現地から、広報スタッフ・山口さんよりお便りが届きました。普段は見られない制作過程から地元の人々との交流まで、大地の芸術祭の裏側をレポートする2回目は、越後妻有の中でも秘境of秘境の秋山郷からお届け!

◆山本浩二「フロギストン」

越後妻有の多様な植生をみせる作品

左上/北川フラム(左)と作家の山本浩二さん(右) 右上/旧大赤沢分校の壁に貼られた児童数の推移 下/採集した木を配置していく作業

2021年2月の大雪の中、視察に訪れたのは、作家であり、大学教授、僧侶でもある山本浩二さん。大地の芸術祭総合ディレクターの北川フラムとともに、旧大赤沢分校へ視察&集落へのご挨拶に。

「フロギストン」というこの作品は、越後妻有の多様な植物を採取し、炭化彫刻という手法で記録するもの。大学の教え子たちとともに秋山郷に通い、1年かけて準備をしてきた山本さん。2月からはトチノキやブナ、ミズナラといったさまざまな倒木を採集し、会場となる教室に時間をかけて配置していきました。

「フロギストン」Photo/Kioku Keizo

作品名「フロギストン」とは、ものが燃えるという不可解な現象を説明するため18世紀初頭に考えだされた仮想物質の名前から。台座には各彫刻に使った木材を利用しています。教室や廊下全体に展開され、まるで越後妻有の原生林の中を散策しているかのよう。

秋山郷のトチ(栃)の原生林が壁一面に拡がる教室も。秋山郷にとってトチノキ(栃の木)は重要な木であり、かつての教室に再現された恵みの山。秋山郷の深くて厳しい自然の風景に溶け込む展示をつくりあげました。

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