実は超優秀な「キャベツの栄養」効果的な摂取・調理方法を管理栄養士が解説します!

実は超優秀な「キャベツの栄養」効果的な摂取・調理方法を管理栄養士が解説します!

身近な野菜であるキャベツには、どのような栄養や効能があるのでしょうか?

ほかの野菜に比べると「あまり豊富でないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

また、調理によってキャベツの栄養がなくなるのかどうかも気になりますよね。

ぜひ、効率的にキャベツの栄養を摂るポイントを知っておきましょう。

今回の記事では「キャベツの栄養」について、管理栄養士が解説します。

キャベツの栄養と期待される効能

キャベツにはさまざまな栄養素が含まれ、不足しがちな栄養補給に役立つ野菜です。

具体的に、100gあたりの栄養成分の含有量を見てみましょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

キャベツは野菜の中でも、特にビタミンCの含有量が優れています。
ほかにも、食物繊維、カリウム、ビタミンKなどを補給したいときにぴったりです。

またカロリーは100gあたり21kcalと、たくさん食べてもカロリーの心配が少ない野菜です。
健康づくりにはもちろん、ダイエット中にも役立ってくれるでしょう。

具体的な効能について、続けて詳しく解説します。

免疫機能の維持に欠かせない「ビタミンC」

免疫機能の維持に欠かせないビタミンCは、野菜の中でも特にキャベツに豊富に含まれています。

具体的に、ほかの野菜と100gあたりのビタミンC含有量を比較してみましょう。

キャベツのビタミンC含有量(41mg)は、レタス(5mg)の8.2倍、玉ねぎ(7mg)の5.9倍、もやし(8mg)の5.1倍、白菜(19mg)の2.2倍の含有量であることがわかります。

ビタミンCは免疫細胞の中に存在することが知られており、免疫機能を正常に保つために大切な働きをしていると考えられています。

風邪の予防には、バランスのよい食事や規則正しい生活が大切ですが、キャベツなどの野菜から、ビタミンやミネラルをしっかり摂取することも大切です。

胃腸の粘膜を守る「ビタミンU」

ビタミンUは、キャベツから発見されたことから「キャベジン」とも呼ばれています。
キャベジンは胃腸の粘膜を正常に保つ働きがあり、胃腸の病気の治療や予防に用いられることがあります。

とんかつなどの脂っこい料理にキャベツの千切りが添えられることがありますが、食べ合わせでも栄養面でもぴったりな組み合わせということがいえます。

骨の健康づくりに必要「ビタミンK」

ビタミンKは骨が作られる際に必要な栄養素です。
不足することで骨粗しょう症や骨折の原因となることが知られています。

通常の食生活では不足の心配が少ない栄養素ですが、野菜や海藻類、大豆製品などを食べない偏った食生活では注意が必要なため、バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

腸内環境を整える「食物繊維」

食物繊維の補給に役立つキャベツは、腸活にぴったりの野菜です。
食物繊維は便の材料となり排便をスムーズにしてくれ、腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が働きやすい腸内環境を作ってくれます。

また血糖値の急激な上昇を抑えるなど、健康面にもよい働きが注目されています。

高血圧やむくみ予防に「カリウム」

カリウムは高血圧やむくみを予防したいときに役立つ栄養素です。
これは、カリウムに余分なナトリウムを排出する働きがあるためです。

高血圧やむくみの原因のひとつとして、ナトリウムの過剰摂取があるため、カリウムが予防の働きをしてくれるというわけです。

※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

キャベツの栄養をムダにしない食べ方はどれ?

キャベツはさまざまな栄養素が豊富であることがわかりましたが、どのように食べると栄養素をムダなく摂れるのでしょうか?

ムダなく摂るなら「生」がおすすめ

キャベツのおすすめの食べ方は「生」です。
キャベツに豊富なビタミンCは熱に弱いため、加熱することで減ってしまいます。

ほかにも、水溶性の栄養素であるカリウムなども水に流れ出てしまいやすいことも理由です。
これらの栄養素をムダなく摂りたい場合は、キャベツのサラダや和え物など、生で食べるようにしてみましょう。

加熱すると栄養がなくなる?

生で食べる方が栄養面でよいとはいえ、加熱することで栄養素がすべてなくなってしまうわけではありません。

成分表に記載されている、キャベツの調理法による栄養成分の違いを比較してみましょう。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ビタミンKは脂溶性であるため、茹でても大きく減っていませんが、水溶性であるカリウム、ビタミンCは半分以下に減ってしまうことがわかります。

しかし、加熱するのはデメリットばかりではありません。
加熱するとカサが減ってたっぷり食べられることや、消化によいことがメリットです。

生でも加熱でも、どちらも上手に取り入れるとよいでしょう。

生と加熱、結局どっちがいいの?

生でも加熱でも、どちらにも魅力があることを伝えました。

メリット、デメリットを再確認してみましょう。

生で食べるのは、しっかりと栄養補給したいときや、ダイエット中の食べすぎ予防として取り入れたいときに選ぶとよいでしょう。

加熱して食べるのは、とにかくたっぷり食べて満腹感を得たいとき、体調が整わずに消化に負担をかけたくないときに選ぶとよいでしょう。

目的に合わせて取り入れるようにしてみてください。