下請けいじめとは?中小企業の担当者が知っておくべき6つのこと

下請けいじめとは?中小企業の担当者が知っておくべき6つのこと

5、下請けいじめにあったときの対処法

それでは、下請いじめにあったときはどのように対応すれば良いのでしょうか?確かに、下請法違反があれば公正取引委員会に通報することは可能ですが、下請事業者の事業継続を考えると、通報が必ずしも得策とは限りません。

以下、下請けいじめにあったときの対処法を確認していきましょう。

(1)まずは企業間で交渉する

公正取引委員会に通報する前に、下請事業者がやるべきことがあります。

通報をして事態を公にする前に、まずは企業間で交渉をしましょう。

親事業者としても、下請法違反が明るみにでれば企業イメージの悪化は避けられないため、事態が公になるよりは下請け事業者との交渉に応じることに一定のメリットがあります。

まずは親事業者との間で交渉をしてみてください。

(2)下請かけこみ寺(中小企業庁)に相談する

中小企業庁では、下請かけこみ寺として、中小企業の取引のトラブルに関する相談を受け付けています。

商品の代金を支払ってもらえない、下請事業者に責任がないにもかかわらず商品を返品された等、取引のトラブルに関して相談に乗ってもらうことができます。

また、トラブル解決に必要な場合は、弁護士に無料で相談をすることもできます。

(3)調停(ADR)を利用する

取引に係る紛争を迅速・簡便に解決するため、調停手続(ADR)を利用することも選択肢の一つです。

調停人(弁護士)が全都道府県に配置されており、相談者の身近なところでADRを利用できます。

ADRを利用すると、紛争当事者間で和解をすることができる可能性があります。

ADRは訴訟とは異なり公開手続きではないので、当事者以外に紛争の存在や内容を知られずに秘密が守られる点もADRを利用する大きなメリットです。

中小企業の取引に関するトラブルでADRを利用するには、下請かけこみ寺に連絡すれば案内してもらえます。

(4)公正取引委員会に通報する

上記の方法によっても事態が解決しなかった場合、公正取引委員会に通報することも検討しましょう。

公正取引委員会では、電話による相談以外にインターネットでの通報も可能です。

匿名での相談も可能ですが、なるべく匿名の相談は避けることが推奨されています。

(5)損害賠償請求訴訟を起こす

公正取引委員会に通報したとしても、当事者間のトラブルが解決するかどうかはわかりません。

公正取引委員会は当事者間のトラブルの解決を図るものではないので、未払い代金の回収等、トラブルの現実的な解決を望む場合は損害賠償請求をしていくことが必要です。

6、親事業者の対応に納得できないときは弁護士に相談を

下請けいじめは過去の事例を見ても明らかなとおり、実際に数多く発生しています。

親事業者の言いなりになっていれば、今後もさらに下請けいじめがエスカレートする可能性もあるでしょう。

下請いじめを受け、親事業者の対応に納得できないときは弁護士にご相談ください。

下請いじめが違法だからといって、すぐに公正取引委員会に通報したり損害賠償請求訴訟をしたりすることが得策とは限りません。

下請事業者の事業存続や今後も親事業者との取引を継続していくためにどのような方法がベストなのか、弁護士に相談をすることでアドバイスをもらうことができます。

また、実際に親事業者と交渉したりADRや訴訟手続きを利用したりする際、弁護士に依頼をしておけば、弁護士が下請事業者の代理人として交渉や手続きを代行してくれます。

関連記事: