おむつは何歳までに卒業するもの?
周囲の子どもがおむつを卒業していくなかで「うちの子も卒業させるべきなのだろうか」と焦ってしまうママ・パパは少なくありません。
まずは、一般的なおむつの卒業時期について確認していきましょう。
卒業には個人差がある
おむつの卒業時期は、子ども自身の興味・関心や、成長の度合いによって異なります。
3歳前後で完全に卒業する子どももいれば、4~5歳ごろに卒業する子どももいます。かつては早めの卒業が望まれる傾向にありましたが、近年は「おむつはいつか自然に卒業するもの」という考え方が主流です。
そもそも、おむつを卒業するためには、尿を長時間にわたり留めておけるだけの膀胱の成長が必要です。
また、子ども自身がトイレ自体に興味を持てなかったり、おむつに快適さを感じていたりする場合にも、トイトレはスムーズに進みにくいでしょう。
おむつの卒業時期は個人差があることを前提に、子どもの成長に合わせておむつ卒業をめざすのがおすすめです。
夜のおむつ卒業は時間がかかるもの
昼間はおむつなしで生活できるのに、夜間はおむつが必要というケースは珍しくありません。
その大きな原因のひとつに、身体的な成長が未熟ということが考えられます。子どもの膀胱が長時間、尿を溜めておけるだけ発達していなければ、夜間をおむつなしで過ごすのは難しいと考えられます。
また、尿量を抑える体の働きが未熟な場合にも、夜間のおむつ卒業は難しい傾向にあるでしょう。
トイトレをする際は、夜のおむつ卒業には時間がかかることをしっかり理解しておくことが大切です。
おむつ卒業に必要なアイテム
スムーズなおむつ卒業をめざすにあたっては、あらかじめ用意しておくと役立つ、いくつかのアイテムがあります。なかでも特におすすめのアイテムを紹介します。
絵本やごほうび
トイトレをスムーズに進めるには、おむつ卒業に対する子どものモチベーションを高めるのが効果的といえます。
例えば、絵本が好きな子どもであれば、トイレに関連する絵本を読み聞かせることで、トイレに対する興味や関心を高められるでしょう。
また、専用のボードなどを用意して、上手にトイレで排せつできたらシールを貼るなどといった、ごほうびシール制度を用意するのも、子どものモチベーションアップに効果を発揮してくれると考えられます。
子どもが楽しみながらトイトレを進められる環境を整えることで、親子ともにストレスなく、おむつ卒業をめざせるでしょう。
補助便座やトレーニングパンツ
トイトレで活躍してくれるアイテムとして、補助便座とトレーニングパンツがあります。
一般的なトイレは、サイズが大人向けのため、子どもは使いにくいものです。補助便座を用意したり、必要であれば、おまるを用意したりすることで、無理なくトイレでの排せつを練習できるでしょう。
一方、トレーニングパンツは、トイトレ中の子ども向けパンツですが、吸収力はありながら、ぬれた感覚が分かりやすいという特徴があります。おむつとは違う不快さを感じることにより、トイレでの排せつを促す効果が期待できます。
トイトレを始めるタイミングは?
多くのママ・パパが頭を悩ませてしまうのが、トイトレの開始時期です。トイトレに適した時期はいつなのか、おすすめのタイミングの目安をチェックしていきましょう。
おしっこの間隔が十分に空いている
前述のとおり、おむつの卒業には、子ども自身の膀胱の発達も考慮する必要があります。膀胱におしっこを十分に溜められなければ、どんなにトイトレをしても、おむつの卒業は難しいといわざるを得ません。
そんな膀胱の発達を見極めるひとつのヒントが、おしっこの間隔です。
おしっこの感覚が2時間ほど空くということは、子どもがある程度のおしっこを膀胱に溜めておけるようになったことを意味します。
おむつの状態をよく観察し、2時間程度おしっこをせずにいられるようになったら、トイトレを始めるよいタイミングといえるでしょう。
言葉が通じるようになってきた
「子どもと言葉が通じるようになってきた」と感じる時期も、トイトレ開始に適したタイミングです。
トイトレの成否には、親子間のコミュニケーションが大きく関係します。
例えば、子どもが「おしっこがしたい」という感覚をしっかり覚えたとしても、それを言葉で伝えられなければ、適切なタイミングでトイレに行くことは難しいものです。
トイトレの開始を検討するにあたっては、子どもが言葉を理解したり、自分の意思を言葉で伝えられたりするかどうかにも注目する必要があると考えられます。
トイレに行く・座るなどの動作ができる
トイトレ開始のタイミングを見極めるにあたり、つい見逃してしまいがちなのが、トイレにまつわる基本動作ができるかどうかという点です。
具体的なチェック項目には、以下のような点が挙げられます。
・トイレまで自分で行ける
・自分で服やパンツを脱げる
・便座やおまるに自分で座れる
これらの点がクリアできていれば、トイトレ開始にぴったりの時期といえます。
トイトレを成功させるポイント
トイトレをスムーズに成功させるには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。あらかじめ知っておきたいポイントを紹介します。
ぬれたら気持ち悪いということを覚えてもらう
子どもが新しい挑戦を始めると、親はつい「できるだけ失敗させずに成功させてあげたい」と思ってしまうものです。
しかし、トイトレに関してはあまりおすすめできません。ぬれたパンツの不快さを子ども自身で感じることで「トイレでおしっこをした方がいい」と思えるきっかけを与えてくれます。
トレーニングパンツがぬれた感覚を味わった子どもの多くは、その不快さからトレーニングパンツに抵抗を感じる傾向にあります。
あえて「ぬれたら気持ちが悪い」を経験させることは、スムーズなおむつ卒業をめざす上で大切なポイントのひとつなのです。
うまくできたら思い切り褒める
子どもは、ママ・パパに褒められることが大好きです。トイトレ中、うまくできたときに思い切り褒めることは、子どもにとって、この上ない喜びとなるでしょう。
反対に、失敗したときに、あからさまにガッカリしたり、叱ってしまったりすると、子どもはたちまちがんばる意欲を失ってしまいかねません。
スムーズにおむつからの卒業をめざすなら、うまくいったときは思いっきり褒め、失敗しても寄り添うことが大切です。
トイレに行くことを習慣づける
トイトレ前の子どもにとって、トイレは未知の領域です。違和感なく子どもの日常の一部にするためにも、トイトレ開始と同時に、トイレに行くこと自体を習慣にするとよいでしょう。
特におすすめなのが、タイミングを決めてトイレに行くことです。
起床時や、食事の前・就寝前など、決まったタイミングでトイレに行くことにより、おしっこを含む排せつを当たり前のこととしてルーティン化させられるでしょう。
1日に何度もトイレへと足を運ぶなかで、子どものトイレ成功の回数も自然と増えていきます。遠からず、念願のおむつ卒業を実現できるでしょう。
やる気を促す工夫をする
思うようにトイトレが進まないときは、思い切ってトイレを子ども仕様にしてみるのもひとつの方法です。
具体例としては、トイレに子どもの好きなキャラクターのポスターを貼るなど、トイレ空間そのものを子ども仕様にしたり、トレーニングパンツを子どもに選ばせたりなどもよいでしょう。
トイレにまつわるものを子どもの好きなものに変えることで、トイレトも楽しいことと印象づけられます。子どものやる気が促され、トイトレがスムーズに進んでいくでしょう。
まとめ
子どもがおむつを卒業する時期には個人差があり、一概に「いつが正解」といえるものではありません。
3歳前後から卒業する子どもが多い傾向にありますが、体の成長なども少なからず影響します。周りと比べて焦ると、子ども自身はもちろんのこと、ママ・パパのためにもならないため、それぞれのタイミングで進めましょう。
トイトレの開始に適したタイミングを見極め、子どもが楽しみながらトイトレに取り組める環境を整えることが、スムーズなおむつ卒業の秘訣といえます。