コップ飲みの練習はいつから始める?
「そろそろコップ飲みの練習を始めた方がいいのかな」「いつから始めるのが正解なのだろう」そんな疑問を抱いてはいませんか?
実際のところはどうなのか、詳しく見ていきましょう。
練習開始の目安は2回食を始めたら
赤ちゃんがコップ飲みの練習を始める時期は、離乳食が進み、2回食が始まった生後7カ月ごろが適しているといわれています。
というのも、コップ飲みをするためには、水分を口に含み「ごっくん」と飲み込める程度に唇やあごなどの筋力が発達している必要があるからです。
2回食が食べられるというのは、コップ飲みに必要な筋力が身に付いたことを示すひとつのサインといってよいでしょう。
また、一般的に2回食に進む時期は、赤ちゃん自身の好奇心が旺盛になるタイミングでもあります。様々なことに興味を持つため、コップ飲みの練習も比較的進めやすいでしょう。
1歳6カ月検診までの完了をめざそう
赤ちゃんの成長・発達には個人差があり「いつまでにコップ飲みができなければならない」といった基準はありません。
一方で、1歳6カ月健診では、保護者の記録項目のひとつとして「自分でコップを持って水を飲めますか」との設問が用意されています。
必ずしも焦る必要はありませんが、目標を決める方が、赤ちゃんだけでなくママ・パパもがんばれるでしょう。1歳6カ月を目標としてコップ飲みの練習を進めるのもひとつの方法といえます。
コップ飲みの練習の手順
実際にコップ飲みの練習をする際は、何からどのように進めていけばよいのでしょうか?基本の手順を紹介します。
まずはスプーンで飲ませる
コップ飲みの練習を始めるにあたり、いきなりコップを使うのは避けましょう。
離乳食を開始し、コップ飲みの練習を始める時期の赤ちゃんは、基本的にママのおっぱいや哺乳瓶以外の手段で飲み物を飲んだ経験がありません。
少しずつ飲み物を飲むことになれていけるようにするためにも、まずは大人がスプーンを使い、少量ずつ赤ちゃんの口へ飲み物を運ぶのがおすすめです。
コップで飲み物を飲むことが、赤ちゃんにとって大きな挑戦であることを忘れず、まずは飲み込み方を覚えさせるところからゆっくり進めていきましょう。
スパウトマグなどで練習する
赤ちゃんがスプーンで飲むことになれてきたら、続いて挑戦したいのがスパウトマグのような1人で飲めるアイテムです。
スパウトマグは、コップに乳首に似た飲み口が付いた赤ちゃん用のマグのことをいいます。商品にもよりますが、つかみやすい持ち手が付いている他、傾けることで適量ずつ飲み物が飲めるため、コップ飲みの練習に適しています。
口周りの筋肉が十分に発達しているようならば、ストローマグに挑戦するのもひとつの方法です。赤ちゃんの様子をしっかりと観察し、ぴったりのアイテムを用意してあげましょう。
・商品名:ピジョン「マグマグコロン スパウト 本体」
おちょこなど小さなコップからなれさせる
コップにステップアップする際は、できるだけ小さいサイズから進めるのがおすすめです。
コップで上手に飲み物を飲むためには、口周りの筋力はもちろんのこと、指先を適切な力で動かす必要があります。
いきなり大きなコップを与えてしまうと、手で支えられず中身をこぼしてしまったり、コップを落としてしまったりするリスクが高くなります。
スムーズなステップアップをめざすためにも、赤ちゃんが上手に扱えるサイズから挑戦するのがベストです。まずは、おちょこなどの飲み口の小さいコップに少量の飲み物を入れ、ママ・パパが手を添えて練習してみましょう。
大人が支えながらコップで飲ませる
小さなコップで安定して飲めるようになってきたら、いよいよ一般的な幼児用コップを使って練習します。
まだまだ上手に飲むのは難しい時期なので、やはり少量から始めましょう。小さいコップと同様に、始めのうちは大人が支えて練習します。
なお、コップの扱いが上達し、1人で安定して持てるようになってきても油断は禁物です。うっかり落としたり、こぼしたりすることのないように、近くで見守ることを心掛けましょう。
コップ飲みの練習に適した形状は?
コップ飲みの練習をスムーズに進めるには、選ぶコップの形状にも注目する必要があります。赤ちゃんに適した形状とはいったいどのようなものなのでしょうか。
持ち手の付いた軽いもの
コップ飲みの練習を始める時期の赤ちゃんは、ものを持つ力がまだ不十分です。小さな力でもしっかりと握れるよう、持ち手の付いた軽いコップを用意してあげましょう。
なお、持ち手については、ひとつよりもふたつ付いているタイプを選ぶ方が、両手でしっかりと握りやすくなります。思いがけず傾けてしまったり、落としたりするリスクも抑えられるでしょう。
軽さや持ちやすさに注目したコップ選びをすることが、スムーズなコップ飲みを実現するコツです。
浅型で透明なもの
コップに不慣れな赤ちゃんは、コップをほどよい角度へ傾ける力加減が、まだうまくできない傾向にあります。あまり傾けなくても中身を飲めるよう、できるだけ浅型のコップを用意するとよいでしょう。
可能であれば、透明タイプのコップを選ぶのがおすすめです。不透明なものに比べて中身が見えやすく、残量も把握しやすいので便利です。
赤ちゃん自身も、コップを傾ける角度や口元の筋肉を動かすタイミングを、よりつかみやすくなるでしょう。
コップ飲みの練習をする際の注意ポイント
赤ちゃんにコップ飲みの練習をさせるにあたっては、あらかじめ確認しておきたいいくつかの注意点があります。よりスムーズに練習を進めるヒントとしてチェックしていきましょう。
焦りやイライラは禁物
コップ飲みの練習をする際の注意点として、まず挙げられるのが、焦ったりイライラしたりしないことです。
ママ・パパにとっては、あたりまえにできるコップ飲みも、赤ちゃんにとっては初めての経験です。最初から上手にできる方が珍しく、基本的には失敗を繰り返すものと考えましょう。
ママ・パパの焦りやイライラを、赤ちゃんは敏感に感じ取りやすいものです。楽しく練習を進めるためにも、笑顔と前向きな声かけを意識するのがおすすめです。
ミルクやジュースは使わない
なかには、赤ちゃんに進んでコップ飲みの練習をしてもらおうと、コップの中身にミルクやジュースを入れようと考えるママ・パパもいるのではないでしょうか。
しかし、これはあまりおすすめできません。ミルクやジュースのような飲み物は、お茶や水に比べて、こぼしてしまった際の片付けが大変になったり、生えたての歯が虫歯になってしまったりする恐れもあります。
そのため、練習中の飲み物は、お茶や水を用意するのが一般的です。
赤ちゃんが驚かないよう飲み物は常温
常温の飲み物を用意するのも、コップ飲みの練習をする際に意識したい大切なポイントです。
離乳食や、母乳・育児用粉ミルクなど、この時期までの赤ちゃんが口にするものは、基本的に常温に近い温度のものばかりです。
大人が熱い・冷たいと感じるような温度の飲み物をコップに入れた場合、赤ちゃんは驚いてしまう可能性が高くなります。場合によっては、コップそのものに苦手意識を抱かないとも限りません。
赤ちゃんのためを思えばこそ、コップの中身には常温の飲み物を用意するのがおすすめです。
まとめ
赤ちゃんがコップ飲みの練習を始めるタイミングは、離乳食の2回食が始まったころが目安といわれています。個人差はありますが、1歳6カ月検診での質問項目にもあるので、そこを目標として練習を進めるとよいでしょう。
実際に練習を進めるにあたっては、赤ちゃんの筋力や手先の器用さが未発達であることを考慮することが大切です。
思うように進まなかったとしても、焦ったりイライラしたりせず、赤ちゃんが楽しみながらコップ飲みの練習に取り組める環境を整えてあげましょう。