「年収400万」で子どもは2人。「住宅ローン破綻」してしまうとどうなる?

住宅ローンの返済は数十年という長期にわたることもあります。最後まで当初の予定どおりに返済が進む人ばかりではないでしょう。中には、住宅ローン破綻を迎えてしまった人もいるのです。
 
本記事では、住宅ローン破綻を迎えてしまった際にどのような手続きが行われるのか、その流れについて解説します。住宅ローンの最悪の事態を知ることで、より安全なマイホーム計画の参考になればと思います。

住宅ローン破綻率は約3%

フラット35を提供する住宅金融支援機構が開示している「リスク管理債権」は、図表1のとおりです。

 

リスク管理債権とは、破綻や延滞、貸し出し条件の緩和が行われている住宅ローンのことで、2019年度の割合は3.2%となっています。100人に3人が住宅ローン破綻、または破綻予備軍となっていることが分かります。

 

【図表1】

 

住宅金融支援機構 ディスクロージャー誌 2020 リスク管理債権

 

住宅ローン破綻した後の流れ

住宅ローンが支払えなくなった場合の基本的な流れは、以下のとおりです。

1 銀行から督促される(滞納から約2ヶ月後まで)

2 銀行から一括返済請求される(滞納から約3ヶ月後まで)

3 保証会社が銀行へ代位弁済する(滞納から約6ヶ月後まで)

4 競売が開始される(滞納から約10ヶ月後まで)

競売物件の落札価格は一般的に市場価格の50~70%程度といわれており、競売になった場合には住宅ローンを返済しきれず、残ってしまう確率が非常に高いです。もちろん、債務者である住宅ローン契約者が返済し続けなければなりません。

 

例えば、年収400万円で子どもが2人いるとします。子どもが大きくなるにつれて生活費や教育費は増大するにもかかわらず、ただ捨て金となる住宅ローンの返済も続くとなると、自己破産を検討することになるのではないでしょうか。

 

競売にはこのような事情があることから、より高く売れる可能性のある任意売却も並行して検討する必要があります。

 

関連記事: