【管理栄養士が解説】PFCバランスとは?4ステップでわかる計算法を解説

【管理栄養士が解説】PFCバランスとは?4ステップでわかる計算法を解説

ダイエットや健康づくりにPFCバランスが大事な理由

「多すぎず少なすぎない、ちょうどよい量」の目安として、PFCバランスが活躍してくれます。

そもそもタンパク質、脂質、炭水化物は下記の働きがあり、体に欠かせない働きをしてくれています。

例えば、脂質の摂りすぎは肥満や悪玉コレステロール値を増加させる原因となり「悪いイメージ」ばかりあるかもしれません。

しかし、極端に不足すると皮膚炎やホルモンバランスの乱れ、エネルギー不足を起こすことが知られており、まったく摂らないのも体によくないのです。

このように、栄養素の過不足のないようにPFCバランスは考えられています。

またPFCバランスを意識することは、ダイエットにも役立ちます。

体にとって必要な量をしっかり補給できるため、ダイエット中でも体調を崩しにくく、リバウンドも防げるからです。

健康づくりやダイエットには、PFCバランスを意識した食事が欠かせないといえるでしょう。

自分の理想のPFCバランスを計算する4ステップ

自分にとって理想のPFCバランスは、下記の4ステップで計算できます。

1.必要なカロリーを知る
2.タンパク質を計算する
3.脂質を計算する
4.炭水化物を計算する

順番に詳しく解説します。

1.必要なカロリーを知る

必要なカロリーは性別、体格、年齢、活動量によって異なりますが、平均的な体格の場合は下記が目安とされています。

▼男性

※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

▼女性

※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

【身体活動レベル】
Ⅰ(低い)1日のうち、座っていることがほとんど
Ⅱ(普通)座り仕事中心だが、軽い運動や散歩などをする人
Ⅲ(高い)立ち仕事や移動が多い仕事、または活発な運動習慣を持っている人

この表の中から、自分に当てはまるカロリーを探してみましょう。

2.タンパク質を計算する

ここからは、女性(30~49歳)のカロリーの目安である1,750kcalをもとに計算を進めていきます。

まずは1日に必要なカロリー(1,750kcal)のうち、13~20%をタンパク質から摂るとして計算をします。

ここではタンパク質を15%と設定して計算を進めてみましょう。またタンパク質は1g4kcalなので、タンパク質の量に換算します。

1,750kcal×15%÷100=262.5kcal
262.5kcal÷4kcal=65.6g

1,750kcalの場合、タンパク質摂取量を65.6g程度にすると、バランスがよくなることがわかりました。

タンパク質の割合(%)の決め方

タンパク質は13~20%と幅があるため、どの割合(%)を用いたらよいか悩むかもしれません。

この範囲内であれば健康に問題のない量ですが、例えば下記を目安にするのはいかがでしょうか。

・15%…どの栄養素もバランスよく摂りたい
・20%…タンパク質をしっかり摂りたい

3.脂質を計算する

脂質は20〜30%の範囲であるため、今回は25%で計算をしてみます。また脂質の量は1g9kcalで計算できます。

1,750kcal×25%÷100=437.5kcal
437.5kcal÷9kcal=48.6g

1日に摂ってよい脂質の量は48.6gである、という結果になりました。

脂質の割合(%)の決め方

脂質の場合も20~30%と幅がありますが、下記のイメージで決めてみるとよいでしょう。

・20%…脂質を減らしたい(コレステロール対策など)
・25%…バランスよく摂りたい
・30%…脂質の多い食べ物も適度に楽しみたい

4.炭水化物を計算する

最後の炭水化物は「タンパク質と脂質の残り」という決め方をします。

ここではタンパク質15%、脂質25%で合計40%となったため、残りの60%を炭水化物から摂る計算です。炭水化物は1g4kcalなので、量を求めるには下記のとおり計算します。

1,750kcal×60%÷100=1,050kcal
1,050kcal÷4kcal=262.5g

炭水化物は262.5g摂ると、バランスのよい食事となることがわかりました。

まとめ

それぞれを計算した結果、1,750kcalの場合は、下記の摂取量になるように食事をとるようにするとよいことがわかりました。

・タンパク質…65.6g(15%)
・脂質…48.6g(25%)
・炭水化物…262.5g(60%)

もし、もう少し炭水化物の量を減らしたい場合は、下記のように調整しても問題ありません。

・タンパク質…87.5g(20%)
・脂質…58.3g(30%)
・炭水化物…218.8g(50%)

また毎日この量をきっちり守る必要はなく、1週間程度の平均が近くなっていればOKです。

食事のポイントは次で詳しく紹介します。