付加保険料も納めて亡くなると遺族には何が支給される?(1)

国民年金第1号被保険者などで国民年金保険料を納付する人は、付加保険料も納付できます。その付加保険料まで納めていた人が亡くなってしまった場合、その遺族には何が支給されるのでしょうか。
 
年金の受給中に亡くなった場合、年金を受給する前に亡くなった場合、それぞれについて(1)と(2)の全2回で取り上げます。

国民年金保険料とともに納付できる付加保険料

自営業者などの国民年金第1号被保険者(20歳以上60歳未満)や65歳未満の任意加入被保険者は国民年金保険料(2023年度:月額1万6520円)を納付しますが、これに合わせて月額400円の付加保険料も納付できます。

 

付加保険料を納付していれば、65歳から老齢基礎年金だけでなく、付加年金も受給できます。老齢基礎年金は満額の場合79万5000円(2023年度67歳以下)で支給され、一方、付加年金は付加保険料1月納付につき、年間200円受給できることになっています。

 

付加保険料の納付期間に応じて付加年金の額も異なります(【図表1】)。

 

 

老齢基礎年金の額は毎年度改定されて変わりますが、付加年金は毎年度「200円×付加保険料納付月数」で支給されることになります。

 

では、付加保険料を納付し、老齢基礎年金と付加年金を受給していた人が亡くなると、どうなるのでしょうか。

 

老齢基礎年金と付加年金を受給している人が亡くなった場合

年金の種類に関わらず、年金を受給している人が亡くなった場合、その遺族に未支給年金が支給されます。

 

年金は亡くなった月の分までが支給対象となる一方、年金は偶数月の15日に前々月分と前月分を支払う、つまり、後払いで支給するというルールがあります(【図表2】)。そのため、年金を受給し続けていた人が亡くなると、1~3ヶ月分の年金は本人が受け取れない年金となります。

 

 

この本人が受け取れない、未支給となっている年金については、その遺族が請求して受け取ります。老齢基礎年金だけでなく、付加年金も受給していた人が亡くなった場合、当然いずれの年金についても未支給年金の対象となり、遺族に支給されます。

 

未支給年金を請求できる遺族とは、生計を同じくする(1)配偶者、(2)子、(3)父母、(4)孫、(5)祖父母、(6)兄弟姉妹、(7)その他の3親等内の親族です。その遺族の優先順位は(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)の順です。

 

年金受給者が亡くなると、遺族には未支給年金の手続きがありますので、忘れずに行いましょう。

 

執筆者:井内義典

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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