50代で貯蓄は「600万」です。私は老後破産するしかないでしょうか? どうにか対策を教えていただきたいです

年齢を重ねるごとに、老後に対する不安が大きくなる人は少なくないでしょう。特に、思うように資産形成ができなかった場合は、その不安は膨らみがちです。しばしば、老後破産するのではないかと心配する声も聞かれます。
 
今回は、50代で貯蓄が600万円の人の場合、高齢者の平均収支データをもとに、老後破産する可能性が高いかどうかについて考えます。また、老後破産を防ぐためのポイントも紹介していきましょう。

高齢者世帯の平均収支は?

まず押さえておきたいのが、高齢者世帯の現状です。ここでは、平均の収入と収支についてまとめます。

 

・60歳以上の平均収入

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、60~64歳の平均給与額は423万円となっています。原則として年金が受け取れる年齢となる65~69歳の平均給与額は338万円です。70歳以上は300万円となっており、年齢を重ねるごとに給与所得が減っていることがわかります。

 

続いて、年金受給額もみてみましょう。厚生労働省年金局の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険の老齢年金の平均月額は約14万5000円となっています。国民年金の平均月額は約5万6000円です。条件等により異なるので、大まかな数字として捉えておきましょう。

 

・60歳以上の平均支出

総務省統計局による「2023年4~6月期 家計調査」によると、60歳以上の平均支出は約14万円です。うち65歳以上では、約13万6000円という結果でした。いずれも単身世帯の1ヶ月あたりの平均支出額です。

 

注意点としては、「住居費」が1万円前後となっている点です。持ち家で毎月の家賃がかからない世帯も含まれているので、賃貸物件に住んでいる、あるいは住む予定があるのであれば、さらに支出は増えるでしょう。仮に、家賃が7~8万円の場合、毎月の支出額は20万円程度になると想定できます。

 

年金と600万円の貯蓄のみでは楽な生活は難しい

年金保険料も納めており厚生年金と国民年金をともに受給できる場合、高齢者となってからの収支はプラスマイナスゼロか、それに近い形となりそうです。貯蓄も600万円あるのであれば、仕事を辞めた途端に破産するといったことはないでしょう。

 

しかし、楽な生活は望めない可能性が高いでしょう。場合によっては、現在の生活水準を下げざるを得ない人も出てきます。

 

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