先日、元警察官の経歴を持つ方から「タクシー運転手として働くことによって、どのくらい将来の年金が増えるのかと相談がありました。
老後の働き方としてタクシー運転手を選ぶことの是非と、そうすることでもらえる年金額がどれくらい増えるのか考えてみます。
セカンドキャリアにタクシー運転手は向いている?
一般社団法人「全国ハイヤー・タクシー連合会」および「ハイヤー・タクシー業高齢者雇用推進委員会」の調査によれば、タクシー運転手として働く男性の6割以上が、60歳以上の方となっています。また、65歳以上のタクシー運転手の数は2017年から2019年の間、毎年前年比で2~4%ほど増加しています。
力を使うことや、難しい業務も少ないとされており、セカンドキャリアに選択する職業としてタクシー運転手は向いているといえます。
特に警察官は現役時代、パトカーなどで車の運転には慣れているはずです。タクシー運転手になるには「普通第二種運転免許」という比較的合格難易度が高い運転免許を有している必要があり、この点がネックになることもあります。しかし、警察官として運転に慣れていれば、普通第二種運転免許の取得も比較的スムーズであると想定されます。
加えて、交番勤務や警察署の窓口業務を経験していた方であれば、接客もさほど抵抗なくできるはずです。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」第1表「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」によれば、道路旅客運送業(企業規模10人以上)の平均年齢は55歳、平均年収はおよそ379万4000円(きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えたもの)です。セカンドキャリアにおいても、生活費を賄うだけの収入を得ることは難しくなさそうです。
タクシー運転手で働くことによって年金は増える?
タクシー運転手になるには、主に正社員や契約社員などとしてタクシー会社に雇用され、かつ70歳未満であるなど所定の要件を満たす必要があります。
社員として厚生年金に加入して働くことで、将来もらえる年金額を増やすことができます。仮に厚生年金に加入できなくとも「保険料納付期間が480月未満である」など国民年金を満額受け取ることができない方は、国民年金に任意加入することによって、将来受け取る年金額を増やすことができる場合もあります。
配信: ファイナンシャルフィールド