老後にかかるお金は消費支出だけではない!?
家計調査による平均支出で計算すると、寿命までに400~600万円ほどが不足することが明らかとなりましたが、老後は「医療費」や「介護費」が追加でかかるリスクが高まります。
まずは、医療にかかる費用を見てみましょう。厚生労働省によると、令和2年度の一人あたりの国民医療費は、65歳以上で年間73万3700円とのことです。
老後22年間(女性の平均寿命まで生きた場合)で計算すると、約1614万円かかり、年代ごとに1~3割が自己負担として考えると、約271万円の負担額になります。
次は、介護費を見てみましょう。生命保険文化センターの「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、月々の介護費用は平均8万3000円、介護期間の平均は5年1.1ヶ月とのことです。上記のほかにも、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時的な費用に、平均74万円がかかるそうです。
仮に5年間介護が必要になった場合、498万円(8万3000円×61.1ヶ月)+74万円で約581万円かかります。医療費と介護費を合計すると852万円となり、これと前述の不足分(老後22年分)を加算すると、約1440万円の資金が必要です。
ほかにも万が一の出費を考えると、2000万円は妥当な数字といえるでしょう。
もちろん、ライフスタイルや、受け取る年金によっても必要な金額は異なりますので、あくまでも目安として参考にしてください。
老後2000万円の資金があると安心|余裕を持って準備しよう
今回は、平均寿命とあわせて、老後にいくら必要になるのかを計算しました。結果として、万が一の出費に備えて資金を準備するのであれば、2000万円は妥当であることが分かりました。
その人のライフスタイルや、受け取る年金によっても異なりますが、2000万円を目安にして、老後資金を準備するとよいでしょう。今から計画的に、資金準備を始めることをおすすめします。
出典
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概要 1 主な年齢の平均余命
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要(18ページ)
厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況(6ページ)
公益財団法人 生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査第Ⅱ部 生活保障に対する意識 2. 生活保障に対する考え方(170・173・174ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
配信: ファイナンシャルフィールド
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