クッキー作りをマスター!溶かしバターとクリーム状バターの使い分け術

クッキー作りをマスター!溶かしバターとクリーム状バターの使い分け術

この記事では、クリーム状のバターと溶かしバターでクッキーを作り、作業のしやすさや、味、食感の違いを検証します。検証にはシンプルな型抜きクッキーのレシピを使用します。バターの特性や仕上がりの違いを知れば、パティシエさんがバターの使い方にこだわる理由も分かりますよ。

生地作りの比較

バターの準備

クリーム状バター(上)/溶かしバター(下)

クリーム状バターは、バターを常温に戻し、クリーム状になるまでヘラで練ります。溶かしバターは、バターを耐熱容器に入れ、電子レンジ600Wで30~50秒ほど、様子をみながら加熱します。

バターを常温に戻す時間は夏場で30分、冬場で2時間以上が目安です。バターを練る際は、大きめのボウルの中で力を入れて練る必要があります。クリーム状バターを準備するには手間も時間もかかりますが、溶かしバターは思い立ったらすぐに準備できるのが魅力です。

バターの量によって電子レンジでの加熱時間は異なります。バターが少量溶け残るくらいで加熱を止めると、加熱のしすぎでバターが飛び散る心配がありません。余熱でバターを溶かし切ってから使いましょう。

バターに粉糖、砂糖、塩を混ぜる

クリーム状バター(上)/溶かしバター(下)

クリーム状バターに粉糖、砂糖、塩を加え、白っぽくなるまで泡だて器でよく混ぜます。溶かしバターに粉糖、砂糖、塩を加えて砂糖の粒がなじむまで泡だて器で混ぜます。

クリーム状バターを混ぜる際、泡立て器の中にバターが入って作業しにくかったので、ヘラで練って十分にやわらかくしたところ混ぜやすくなりました。溶かしバターの生地は液体なので混ぜやすく、作業時間が圧倒的に短かったです。

卵、バニラオイル、薄力粉を加える

クリーム状バター(上)/溶かしバター(下)

クリーム状バターの生地に溶き卵を2〜3回に分けて加えて混ぜます。ふるった薄力粉を加え、ゴムベラで切るように混ぜます。そぼろ状になってきたら、ヘラをボウルに押し付けて生地をまとめます。

溶かしバターの生地に生地に溶き卵を2〜3回に分けて加えて混ぜます。ふるった薄力粉を加え、ゴムベラで切るように混ぜて生地をまとめます。

クリーム状バターの生地に溶き卵を加えると、最初は分離したような状態になりましたが、しっかり混ぜるとなじみました。溶かしバターの生地は溶き卵を入れても分離する気配もなく、すぐになじみます。

クリーム状バターの生地はまとまりにくく、硬くてややボソッとしている状態です。手で何度か折りたたむときれいにまとまりました。溶かしバターの生地はやわらかく、すぐに生地がまとまって表面がツヤッとしています。

型抜きの比較

生地を寝かせる前でも型抜きできるか

クリーム状バター(上)/溶かしバター(下)

本来は生地を冷蔵庫で1時間以上寝かせてから型抜きをしますが、今回は生地ができた直後、すぐに型抜きをしてみました。

クリーム状バターの生地は、やや作業しにくいものの、慎重にやさしく型抜きすればきれいな形に抜くことができます。溶かしバターの生地はやわらかく、手で持ち上げると生地がダレて、形が崩れたりクッキー型にくっついたりしました。

どちらの生地も作業しているうちに、どんどん生地がダレてきます。手早く作業すれば、クリーム状バターの生地はなんとか型抜きができそうですが、溶かしバターの生地をきれいに型抜きするのはむずかしそうです。

寝かせて型抜きする

クリーム状バター(上)/溶かしバター(下)

冷蔵庫で1時間ほど寝かせた生地をラップではさみ、めん棒で4〜5mmの厚さに伸ばし、クッキー型で型抜きします。冷蔵庫から出してすぐの生地は硬いため、めん棒で叩きながら伸ばしました。

クリーム状バターの生地は硬めでダレにくく、型抜きしやすいものの弾力性がないため、無理にクッキー型から取り出そうとすると割れることがあります。溶かしバターの生地はやわらかめでダレやすいものの、弾力性があって割れることはなく、無理にクッキー型から取り出そうとすると生地が伸び、いびつな形になりました。

溶かしバターの生地はダレてクッキー型にくっつきやすいため、小さく細かいパーツのあるクッキー型では、きれいに型抜きするのがむずかしいです。生地を冷蔵庫で休ませながら作業すると型抜きしやすくなります。

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