「腎臓がんが転移する確率・ステージ別の余命」はご存知ですか?症状も解説!

「腎臓がんが転移する確率・ステージ別の余命」はご存知ですか?症状も解説!

腎臓がのステージごとの余命

腎臓がんの転移や余命について、ステージごとに解説します。腎臓がんのステージは、がんの大きさやひろがり具合によってIからIVまで分けられます。ステージごとの余命は、平均余命や5年生存率などの指標で表されます。平均余命とは、同じ病気の人が100人いたとき、半分の50人が亡くなる時期を示すものです。5年生存率とは、病気の発見から5年後に生きている人の割合を示すものです。

ステージ1

ステージ1は、がんが腎臓内にとどまり、直径が7cm以下の場合に該当します。腎臓がんのステージ1の場合、平均余命は5年以上、5年生存率は約90%以上と高くなっています。これは、腎臓がんの中でも早期で治療の影響力が大きい段階であることを意味します。ステージ1の腎臓がんは、手術や分子標的薬などの治療で病状が改善する可能性があります。

ステージ2

ステージ2は、がんが腎臓内にとどまるものの、直径が7cmを超える場合に該当します。腎臓がんのステージ2の場合、平均余命は5年以上、5年生存率は約75%~90%と高くなっています。これは、腎臓がんの中でも早期で治療による影響力が大きい段階であることを意味します。ステージ2の腎臓がんは、手術や分子標的薬などの治療で改善する可能性があります。

ステージ3

ステージ3は、がんが腎静脈や周囲の脂肪組織、下大静脈に及んでいる場合、あるいはがんが所属リンパ節の1つに転移している場合のいずれかが該当します。腎臓がんのステージ3の場合、平均余命は5年以上、5年生存率は約66.3%となっています。これは、腎臓がんの中では進行した段階であることを意味します。ステージ3の腎臓がんは、手術や分子標的薬などの治療で改善する可能性があるものの、再発や転移のリスクが高いです。

ステージ4

ステージ4は、がんが別の臓器に転移しているか、所属リンパ節に2個以上の転移を認める場合に該当します。腎臓がんのステージ4の場合、平均余命は約17ヶ月、5年生存率は10%〜30%と低くなっています。これは、腎臓がんの中ではかなり進行した段階であることを意味します。ステージ4の腎臓がんは、手術や分子標的薬、免疫療法などの治療で寛解する可能性があるものの、再発や転移のリスクが高いです。

腎臓がんの検査方法

腎臓がんの検査方法についても解説します。

超音波検査

腎臓がんの診断やステージの判定には、体の中の状態を画像として見る画像検査が重要な役割を果たします。超音波検査(エコー検査)では、超音波を体に当てて、腎臓の形や大きさ、腫瘍の有無や性状などを調べる検査です。痛みや被ばくの心配はありません。

CT検査

CT検査とは、放射線を利用して、体の断面を画像化する検査です。CT検査では、腫瘍の大きさや周囲の臓器への広がり、肺や肝臓への転移の有無などが調べられます。また、より詳細に調べるために造影剤という薬を注射して行う場合もあります。造影剤は、腎臓や血管などの血液の流れを強調して、画像のコントラストを高めます。
CT検査には以下のような注意点もあります。

・放射線を使用するため、被ばくのリスクがある
・造影剤にアレルギーがある人や腎機能が低下している人は使用できない
・腎臓がんが小さい場合や特殊なタイプの場合は、診断が難しいことがある

MRI検査

腎臓がんの検査方法の一つに、MRI検査があります。MRI検査とは、強力な磁石と電波を使って体の内部の断面像を作り出す検査です。
MRI検査は腎臓がんの診断に役立つ検査ですが、副作用やリスクもあります。例えば、検査中に不安や閉塞感を感じる人もいます。また、画像を鮮明にするために、造影剤という液体を注射することもありますが、造影剤によってアレルギー反応や腎機能障害を起こすこともあります。そのため、検査を受ける前に医師に自分の病歴やアレルギーの有無などを伝えることが大切です。

生検

生検とは、がんかどうかや、がんの悪性度などを調べる検査です。腎臓がんの場合、画像検査だけでは診断ができない場合や、転移がある場合に行われることがあります。
生検の方法は、主に以下の2種類があります。

経皮的針生検:局所麻酔をした後、腹部に細い針を刺して、腎臓の組織の一部を採取する方法です。超音波やCTなどの画像検査を併用して、正確な位置を確認しながら行います。通常、1泊2日の入院で行われます。
手術的生検:開腹手術や腹腔鏡手術などの方法で、腎臓の組織の一部を採取する方法です。経皮的針生検ができない場合や、腎臓の一部を切除する場合に行われます。通常、数日間の入院が必要です。

生検の結果は、病理医が顕微鏡で組織を観察して、がんの有無や種類、悪性度などを判断します。治療方針を決める上で重要な情報となります。

骨シンチグラフィ

骨シンチグラフィとは、骨への転移を調べる検査です。骨の痛みや血液検査の異常など、骨への転移を疑う場合に行われます。骨シンチグラフィは、まず静脈注射で放射性物質を含む薬剤を投与します。ここで用いる薬剤は、骨の異常部分に集まる性質を持っています。薬剤が全身に浸透するのを待ってから、特殊なカメラで撮影します。カメラは、薬剤から出る放射線を捉えて、骨の画像を作ります。

関連記事: