「直腸がん・ステージ4」の症状・治療法はご存知ですか?【医師監修】

「直腸がん・ステージ4」の症状・治療法はご存知ですか?【医師監修】

直腸がんのステージ4で行う検査法

直腸がんのステージ4では、「CT画像」や「大腸内視鏡検査」を行います。

CT画像

CTは患者さんの体に周囲からX線を照射して得た情報から体の断面の画像を構成する装置です。直腸がんを含む大腸がんの検査で行うCT画像検査では、がんが大腸の壁のどこまで達しているのか(浸潤しているのか)を検査しています。
また、CT画像検査はがんがリンパに乗って移動して形成するリンパ節の検査も可能です。確定診断は、両者とも組織を採取して顕微鏡で検査する病理検査で行います。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査では、結果からがんが大腸の内壁のどこまで達しているか(深達度)をある程度予想できます。
大腸内視鏡検査の際に、鉗子で組織を採取することも可能で病理医が顕微鏡診断する生検も実施可能です。

直腸がんのステージ4で行う治療法

直腸がんのステージ4の治療は、以下の3つの治療法から標準治療を基本として適したものを実施します。

手術療法

対症療法

放射線治療

治療方法は標準治療を基本とし、患者さん本人の希望・生活環境・体の状態などを総合的に検討して担当する医師と話し合って決定します。

手術療法

肝臓・肺などのがんの病変(転移巣)が切除可能で、原発巣も切除可能な場合は手術療法を行います。
転移巣が切除できない場合でも薬物療法で切除可能な状態になれば、手術療法が可能です。

対症療法

直腸がんのステージ4はがんが肝臓・肺などに転移している可能性が高い状態です。肝臓に転移している場合、可能であれば切除されます。
しかし、全身状態が不良(PS3以上)な状態あるいは薬物療法で有効な薬剤がない場合は対症療法をすすめられるでしょう。
再発した場合も切除できない場合には、体の状態・再発した部位に応じて対症療法をすすめられることもあります。
なお、「PS」とは「パフォーマンスステイタス」の略で患者さんの全身状態を示す指標です。

放射線治療

放射線治療は、転移しているがんが切除可能であっても原発巣の切除が不能な場合に行われる治療方法です。放射線治療には2種類あります。

補助放射線治療:骨盤内での直腸がんの再発を抑える目的で行う治療

緩和的放射線治療:がんの再発や転移による痛み・吐き気・嘔吐・めまいなどの症状を和らげる目的で行う治療

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