「直腸がん・ステージ4」の症状・治療法はご存知ですか?【医師監修】

「直腸がん・ステージ4」の症状・治療法はご存知ですか?【医師監修】

直腸がんで起こりやすい術後合併症について

直腸がんの手術を受けた場合に起こりやすい術後合併症は、「腸閉塞」と「創部感染」です。

腸閉塞

腸閉塞は、腸の炎症による癒着などによって腸管の通りが悪くなった状態です。
患者さんによって差はありますが、腸管と腹壁やほかの腹腔内臓器との癒着が起こります。
おなかの痛み・吐き気・嘔吐などが主な症状です。食事をとらずに点滴をしたりチューブを入れて胃液や腸液を出したりする処置で回復するケースがほとんどです。回復しない場合は、手術が必要なこともあります。

創部感染

直腸がんの手術の術後は、手術時にできた創の縫合部が細菌などにより感染する創部感染を起こしやすい状態です。
症状として代表的なのは、赤く腫れて膿が出る・痛み・発熱などの症状になります。創部感染の治療法は、抜糸する・皮膚を切開して膿を出す・抗生物質を使用することなどです。

直腸がんのステージ4についてよくある質問

ここまで直腸がんステージ4の特徴や検査法・治療法などを紹介しました。ここでは「直腸がんステージ4」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストーマとはどのようなものですか?

中路 幸之助(医師)

ストーマとは、手術でお腹に作った便や尿を排泄する出口です。
治療のうえで肛門を温存できない場合もあります。そこで、ストーマを設け肛門の代わりとなる出口を作るのです。
ストーマと聞いて機械をイメージされるかもしれませんが、ストーマは患者さんの腸を腹壁に出したもので粘膜になります。

がんの深達度とは何ですか?

中路 幸之助(医師)

深達度は、がんが大腸の腸管壁のどこまで深く入り込んでいるかを示すものです。
この深達度とリンパ節転移および遠隔転移の3つの要素によりがんのステージが決まっています。
大腸の内壁の構造は、内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜下層または外層・漿膜です。
深達度はがんがこれらのどこまで達しているかを示しており、TX・T0・Tis・T1(T1a・T1b)・T2・T3・T4a・T4bに分かれています。

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