「子宮ポリープができる原因」とは?症状や放置した場合も医師が解説!

「子宮ポリープができる原因」とは?症状や放置した場合も医師が解説!

子宮ポリープの検査法

経膣超音波検査

内診台で、腟に超音波検査の機械を挿入して行う検査です。婦人科外来で、簡便に実施できる検査です。
主に子宮内膜ポリープに対する検査です。子宮頸管ポリープも場所や大きさ次第で見えることがありますが、超音波検査では分かりにくいことが多いです。
排卵期や排卵後の時期では子宮内膜が厚く、超音波検査で子宮内膜ポリープが見えにくいことがあるため、このような場合では月経終了直後など子宮内膜の薄い状態の時に再検査が必要となることがあります。
超音波検査の際に子宮内に細く柔らかいカテーテルを入れて水で子宮内を満たし、コントラストをはっきりさせてよりポリープの状態を分かりやすくするソノヒステログラフィーという検査を行うこともあります。これも外来で実施でき、子宮内にカテーテルを入れる必要がありますが多くの場合痛みを伴うことは少ないです。

子宮鏡検査

子宮内膜ポリープに対する検査です。子宮の中に子宮用の内視鏡「子宮鏡」を挿入して直接子宮内を観察します。子宮内膜が薄い月経終了直後などに行われます。
子宮鏡の検査では、子宮内腔の形や子宮内膜ポリープの位置や大きさ、数などを確認します。子宮鏡検査は通常外来で日帰りででき、短ければ数分程で強い痛みもなく終了することが多い検査ですが、痛みが強い場合や時間がかかる場合は麻酔を行うこともあるかもしれません。

内膜細胞診

子宮内膜ポリープに対して行う検査です。
子宮の奥の子宮内膜がある部分までブラシを挿入し、内膜の細胞を採取して悪性の細胞がいないかを確認する検査です。この検査は確定診断ではないため、悪性の細胞が疑われる場合は追加の精密検査が必要になります。
外来で早ければ数分以内で終了する検査ですが、子宮の前後屈(子宮が前や後ろに傾いている)が強い方や出産経験が無いなど子宮頸管が細くなっている方では痛みがやや強くなることがあるかもしれません。また、検査後は検査の影響でどうしても1日~数日間少量の出血が出ることがあります。

腟鏡診

子宮頸管ポリープで行う検査です。
腟内に腟を展開する器具を入れて子宮口を直接観察します。子宮頸管ポリープは通常、子宮口から飛び出して見えることが多く、直接見ることで診断されます。子宮頸管ポリープの場合、そのまま外来などでポリープを引っ張ったりねじり切ったりして切除できてしまうことが多いです。

子宮ポリープの予防法

子宮のポリープの予防法は、原因と同じようにまだはっきりと分かっていません。全ての女性にできる可能性のある病気ですので、重要なのは早期発見です。
「子宮にポリープができると現れる症状 」で述べたような症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

診断で最も重要なのは、悪性の病気の否定です。悪性の病気や腫瘍であった場合、放置すると進行してしまう可能性があるからです。
子宮内膜ポリープであれば内膜細胞診や手術(子宮内膜全面搔爬術や子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術)、子宮頸管ポリープでは切除により細胞や組織を病理検査という検査に提出し、悪性の腫瘍かどうかを調べます。悪性の可能性が低く、かつ特に症状が無いという場合では必ずしも治療を受ける必要はなく、経過観察とすることもできます。
しかし、悪性の可能性が低い場合でも症状がある場合は、手術などの治療が勧められることが多いです。

子宮内膜ポリープであれば、前述した子宮内膜全面搔爬術や子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術により、切除をし治療を行います。これらの手術は子宮口から器械を挿入して手術を行うため、お腹を切らないタイプの手術となります。また、ポリープの数や大きさなどにもよりますが、これらの手術は日帰り手術や短期間の入院で実施できることが多いです。
子宮頸管ポリープは外来でその場で切除できることが多いですが、大きいなど時間がかかったり、出血が多くなったりする可能性がある場合は入院しての手術が必要となることがあります。

手術で治療を受けた後も、再発する可能性があるため医師から経過観察を指示されることもあるでしょう。

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