電気や水道が使えなくなったときでも、限られた水と燃料で料理を作れるパッククッキング(湯煎調理法)。今回は主食であるごはんをおいしく仕上げるコツを実際に試してみました。炊き込みごはんやピラフの作り方もご紹介します。
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
電気や水道、ガスが当たり前に使える毎日。しかし、災害時などでライフラインが止まってしまうと、あっという間にあらゆることがストップしてしまいます。状況によっては復旧までにかなり時間を要することがありますが、その中でも温かい料理を食べることができれば気持ち的にもホッとします。
災害時に使えると広まってきているパッククッキング(湯煎調理法)は、基本的な方法がわかれば、さまざまな料理を作ることが可能に。何かあったときに使えるひとつのスキルとしてこの調理方法を身につけておけば、大きな備えとなります。
今回は主食であるごはんを、パッククッキングで炊く方法を詳しくご紹介します。
パッククッキングでごはんを炊くために必要な物
ポリ袋
湯煎調理では、食材をポリ袋に入れて湯煎して火を通していきます。そのため、熱湯でも耐えられるポリ袋を必ず使用します。具体的にいうと、耐熱温度は120~130℃以上ある高密度ポリエチレンのポリ袋になります。
冷凍、冷蔵、電子レンジでの使用もできるため、非常時でなくても日常的に活用できる便利な袋。湯煎調理できるポリ袋としてアイラップが有名ですが、100均でも手に入るので常備しておくと◎
カセットコンロ&ガスボンベ
ガス・電気が止まってしまったときに重宝するのが、カセットコンロとガスボンベ。これがあればどこでも加熱調理が可能に。
卓上で使える熱源としてホットプレートが広まり、カセットコンロは普段あまり使わないというご家庭も多いかもしれませんが、非常時用に1台あると安心です。アウトドア等でも活躍するので、意外に使えるシーンはありそう。
使用期限などもあるため、普段から練習がてら活用して回転させると◎
深さのある蓋つき鍋
湯煎するために、深さのある鍋を使います。湯の温度を保つために蓋を使用することがあるので、蓋つきが望ましいです。
耐熱皿
ポリ袋が鍋肌に当たると、耐熱温度以上となって破損することがあります。直接当てないために、耐熱性のある皿を鍋の底に敷いて、その上にポリ袋をのせて湯煎します。
布巾
量が多い場合は、耐熱皿の上で収まらないこともありますよね。そんなときは布巾やタオルで包むようにすると鍋肌に当たることはありません。蒸らし効果も高まります。
計量カップ
炊飯器で炊くときもお米は計量しますよね。ポリ袋で炊くときも同じく、お米も水も計量します。計量カップは通常の200mlのものと、お米用の180mlのものがあると便利。
というのも、米と水の割合は1:1.2くらいが普通の固さに炊きあがる目安だから。お米を米用計量カップ1に対して、水は通常のカップ1にすればそのくらいになるんです。もちろんきちんと割合を覚えていられれば、どちらかの計量カップひとつで計っても大丈夫。
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パッククッキングでごはんを炊いてみよう!
パッククッキングは、熱湯にポリ袋を入れて20分湯煎し、蒸らして火を通すというのが基本的な方法。
ただ、ごはんをこの方法で炊くと、炊けるけれどもちょっと芯が残っていたり、火の通り方にムラが出たりすることも。そこで、今回は失敗しないでおいしくごはんが炊けるようなコツをおさえて炊いてみました。
材料(1人分)
・米……1/2米用カップ(90ml)
・水……1/2カップ(100ml)
・ポリ袋……1枚
・湯煎用の水……適量
※1/2合になるので、炊くと茶碗1杯分になります。
※米と水の割合は1:1だと固め。水を多くすればおかゆも作ることができます。
※無洗米を使う場合は、水の分量を少し多めにします。
ポリ袋に入れるのは1~2人分まで。多ければ火の通りにムラができやすいので、今回は1袋に1人分で炊きます。
ポリ袋にお米を入れ、水(分量外)を入れてシャカシャカ揺らして研ぎましょう。
お米を袋の下にまとめて、その上をぎゅっとつかんで水を流して切ります。これを2回くらいします。無洗米の場合はしなくてOK。
しっかり水を切れたら計量した水を注ぎます。
加熱すると袋の中の空気が膨張してきます。膨張すると袋が浮きやすくなり、火の通りが悪くなってしまうため、できるだけ空気を抜き、膨張したときに袋が破損しないよう上のほうで袋を結びます。水を入れたボウルにポリ袋を入れていると、空気を抜きやすくなりますよ。
浸水は30分以上。加熱する前にしっかり吸水させましょう。
カセットコンロにガスボンベをセットします。鍋に耐熱皿を敷いて水を7~8分目まで入れてポリ袋をのせます。
実はお米は熱湯にいきなり入れるよりも、水から加熱したほうがおいしく炊き上がるのだそう。そこで今回は水から加熱方式で!
袋の口が水に浸かると水が混入してしまったりするので、上にあげた状態でのせます。菜箸に結び目を挟んで、この状態をキープ。
袋の数が多い場合には、上のほうを輪ゴムでまとめてから挟むと安定します。袋がしっかり水に沈むよう、加熱時に水の量が減ることも計算して、足りない場合は水を追加。
セッティングができたら加熱スタート。強火で一気に沸騰させていきます。
沸騰したら、温度を保てる程度の中火~弱火にして20分加熱します。
火が強すぎるとお皿がガタガタしたり、吹きこぼれもするので、様子を見て調整してください。
加熱時間が終わったら、火を止めて蓋をしてそのまま15分蒸らします。ある程度温度を保ったまま蒸らすのがポイント。
真空パックのような状態になるので、炊き上がりはぴちっと空気が抜けて固まったような感じに。
かたまったごはんを袋の上から優しくほぐしてふっくらさせます。熱いので、布巾などを使ってほぐすとイイですよ!
ポリ袋のいいところは、このまま食器に被せれば、食器が汚れないこと。食べた後は袋を捨てれば洗いものはナシ♪
炊飯器で炊いたものには及びませんが、かなりいい感じに炊き上がりました!
おいしく炊くコツ
■1袋に1人分にしてムラなく火を通す。
■30分以上吸水させる。
■水から加熱。
■強火で沸騰させ、温度を保つよう中火~弱火にして20分加熱。
■蓋をして15分蒸らす。
■熱いうちに優しくほぐす。
湯煎調理のメリット
■ライフラインがストップしても調理可能
カセットコンロやガスがあれば、どこでもごはん炊くことができる。
■衛生的
ポリ袋でごはんを炊くので、直接手に触れる機会が少なく衛生的。具材をあとで加えて混ぜたりもでき、おにぎりにしたりも可能。
■1人分ずつ個別で作れる
1人分ずつ袋に入れて、同時に複数分の湯煎が可能。そのまま取り分けでき、持ち運びもできる。
■片づけがラク
ポリ袋に入れたまま食器にのせて食べれば、食器自体は汚れず、食べた後は袋を捨てるだけ。非常時には食器を洗う水がもったいないので、これがとても便利に。
■水の節約
湯煎で使う水は、何度でも繰り返し再利用できる。ポリ袋に入れる水も、片づけ時にも最小限しか使いません。
■同時に複数の料理が作れる
袋を分ければ、ごはん以外の料理も同時に湯煎できる。レトルト品の温めなどもOK。
配信: マイナビ子育て