「胃がん・ステージ4」の症状・余命はご存知ですか?医師が徹底解説!

「胃がん・ステージ4」の症状・余命はご存知ですか?医師が徹底解説!

胃がんステージ4の余命・生存率

胃がんステージ4とは、がんが胃の表面まで進行して他の臓器に浸潤している、もしくは肝臓転移などの遠隔転移を伴ったものです。がんの余命を考える場合には余命の指標として、生存率を使用します。2014年~2015年に診断を受けた方の5年生存率の報告では、胃がんステージ4と診断された方のネット・サバイバル(がんのみが死因となる状況を仮定して計算された生存率)は1年で38.9%、2年で18.5%、3年で10.8%、4年で7.8%、5年で6.3%という結果でした。胃がん診断後1年以内で半数以上がなくなられています。ステージ3では5年生存率41.3%、ステージ2では67.2%、ステージ1では92.8%であるため、ステージ4となると急激に生存率が低下していることがわかります。なるべく早期での診断、治療が非常に大切です。胃の調子が悪い場合には、消化器内科を受診し、まず内視鏡などの検査を行いましょう。また、50歳以降で胃がんは増加し始めます。定期的に胃がん検診を行うことで早期に胃がんを発見することができます。がん検診を受診しましょう。

胃がんステージ4の検査法

胃がんが疑われた場合には、まずがんかどうかの確定診断と、がんの確定後に治療方針を決定するために進行度を調べるための検査をします。

内視鏡検査

がんかどうかの確定をするために内視鏡検査を行い、直接胃の粘膜を見ます。がんが疑われれば、病変の場所やその広がり、深さを調べます。また、がんの確定診断のために病変の一部をとり、病理検査をする生検が行われることもあります。がんと診断されれば、その深さや周囲の臓器への浸潤の有無を調べるために超音波内視鏡検査を行う場合もあります。

バリウム検査(上部消化管造影検査)

造影剤を飲んでレントゲンを撮影する検査です。本来は健診などで、胃がんを見つけるために行う検査です。とくに、胃の壁が厚く硬くなるスキルス胃がんの発見には有用な場合があります。がんの確定診断後には、内視鏡検査ではわかりにくい胃全体の形や病変の位置の確認、手術の術式の決定に用いられます。

腹部CT検査、MRI検査

胃の周囲の臓器への直接浸潤やリンパ節転移、遠隔転移の有無などを調べるために腹部CT検査や必要があればMRI検査を行います。
通常、造影剤とよばれる薬剤を点滴して、病変を見やすくして撮影します。

PET検査

PET検査とは、FDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を静脈から注入して検査を行います。ブドウ糖ががん細胞に取り込まれる事を利用し、がんの遠隔転移の有無を調べます。この検査を行うことで、通常のCT検査でははっきりしないがんの分布を知ることができます。

審査腹腔鏡

胃がんが進行して腹膜に転移がある、腹膜播種が疑われる場合に行われます。全身麻酔をしておなかに小さな穴をあけ、腹腔鏡を挿入しておなかの中を直接調べます。転移が疑われる臓器の組織や腹水を採り、病理検査でがん細胞がないかを調べる検査です。胃がんステージ4が疑われ、胃の表面にがんが浸潤している可能性、周囲の臓器への浸潤の可能性が考えられる場合には、正確な病期を診断するために必要となる場合があります。
その他に、大腸内視鏡検査を行い、大腸に浸潤がないか、また大腸がんの合併がないかを調べます。