「メラノーマの初期症状」はご存知ですか?なりやすい年齢層も解説!【医師監修】

「メラノーマの初期症状」はご存知ですか?なりやすい年齢層も解説!【医師監修】

メラノーマとほくろの見分け方が分からない、メラノーマの初期症状が知りたい。そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、メラノーマの初期症状について以下の点を中心にご紹介します。

・メラノーマとほくろの違い

・メラノーマの初期症状

・メラノーマの検査方法

初期のメラノーマについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

≫「皮膚がんの初期症状」はご存知ですか?原因・治療法も解説!【医師監修】

監修医師:
高藤 円香(医師)

防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

メラノーマとほくろの違い

メラノーマ(悪性黒色腫)は悪性化したメラニンを生成する細胞に由来します。
メラノーマを疑う際のポイントは以下のとおりです。これらのうち4つ以上該当する場合は、悪性である可能性があります。
一方、2つ以下の場合は、良性のほくろ(色素性母斑)と考えて良いでしょう。

形:ほくろは通常、円形や楕円形ですが、メラノーマは不規則な形状になることがあります
境目:ほくろの境界ははっきりしていますが、メラノーマの境界はギザギザやぼんやりしていることがあります
色:ほくろの色は均一ですが、メラノーマは色むらが見られることがあります
大きさ:ほくろは直径6ミリ以下であることが多いですが、メラノーマは直径6ミリ以上になることもあります
隆起:一部のほくろは隆起しますが、メラノーマは進行すると隆起します
硬さ:ほくろは一定の柔らかさを保っていますが、メラノーマの場合、部分的あるいは全体的に硬さが増すことがあります
変化:ほくろの大きさ、色、形状などに変化が見られることがあります

また、褐色の色素斑(いわゆるシミ)の中には「日光黒子(老人性色素斑)」というものがあります。30代以降に現れることが多いとされ、顔や手の甲、背中の上部、すねなどの太陽に晒されやすい部位に見られます。これらの色素斑は、年齢と共に増加する傾向があります。紫外線の影響も要因の一つに考えられています。

日光黒子は通常、痛みやかゆみ等の自覚症状を伴わず、さまざまな形の褐色斑として現れます。時には疣状(いぼじょう)に盛り上がることもあります。良性の腫瘍ですが、悪性黒子(メラノーマの初期病変)と似ているため、正確に知るためには医師による鑑別が重要です。
予防としては、日焼けを避けることが基本です。日傘、UV加工の帽子や衣服を利用し、日焼け止めクリーム等で紫外線ケアを心掛けましょう。

メラノーマになりやすい年齢

メラノーマ(悪性黒色腫)は皮膚がんの一種です。日本では年間約1,800人が診断されています。男女比はほぼ同じ割合です。60~70歳代の高齢の方にかけての発症が多いとされています。
しかし、20~30歳代の若年層でも発症するケースがあり、年齢だけでリスクを否定することはできません。若い方の場合、メラノーマは良性の腫瘍と外見が似ていることが多いため、ほくろや皮膚の変化に気を配ることが重要です。
また、メラノーマの増加理由には、生活習慣の変化や環境要因も影響していると考えられています。例えば、屋外での活動時間が増え、紫外線への露出が増えることが、メラノーマの発症リスクを高めている可能性があります。
メラノーマはかつて欧米の方に多いがんとされていましたが、日本人のメラノーマによる死亡数は増加の傾向にあります。これは紫外線の影響に加え、高齢化も一因と考えられています。