【闘病】「怠けているわけではない」“肢帯型筋ジストロフィー”で失われる体力との向き合い方

【闘病】「怠けているわけではない」“肢帯型筋ジストロフィー”で失われる体力との向き合い方

幸せに条件はなく、幸せだと感じるのは自分次第

編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

土屋さん

仕事を辞めた後により詳細な検査をした結果、心筋にも病変があることがわかり、服薬治療の内容が変わりました。一人暮らしを始めて10年経ちましたが、ヘルパーさん、リハビリ、福祉用具の導入で、できないことを補いながら暮らしています。車を卒業する時や退職など、大きな節目では病気の進行と向き合うことになり、悔しさや悲しさを味わいました。ですが、覚悟を決めて決断した後は、必ずそのおかげで新しい経験を得られました。

編集部

電動車椅子に乗り始めてから新たな楽しみを見つけられたそうですね。

土屋さん

電動車椅子に乗り始めてから、外出することが楽しみになりました。車では気づかなかった道端の草花や少し低い目線からの景色が新鮮で、行ったことのなかった公園や遊歩道では野鳥や昆虫を見つけ、自然とふれあう心地よさをたくさん味わいました。声をかけてくれる人がいたり、立ち往生しているところを助けてもらったり、人との触れ合いも増えて、この町をもっと好きになりました。風景の写真を撮ることが楽しくなり、Instagramに投稿したり、写真にメッセージを添えたポストカードを作って販売したりしています。2022年には、福祉講演会で講演をする機会もいただき、貴重な経験をさせていただきました。

編集部

筋ジストロフィーを意識していない人に一言お願いします。

土屋さん

私自身、筋ジストロフィーのことをそれほど詳しく理解していませんが、もし身体に違和感があったら、「こんなものなのだ」と放置せず、1人で不安を抱えまず身近な人に相談してほしいと思います。そして、まずは病院を受診することをおすすめします。この記事を読んでこういう病気もあることを知って、参考にしてもらえたら嬉しいです。

編集部

医療従事者に望むことはありますか?

土屋さん

いつも尽力していただきありがとうございます。はやく治療法が確立することを期待しています。

編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

土屋さん

今は歩行器につかまりながら歩けますが、この先は分かりません。まだ来ていない未来に不安を抱きながら生きるのは、やっぱり辛いです。ですが、「今も歩行器で歩けて嬉しい」「洗濯物はヘルパーさんに干してもらおう」と、思いながら暮らしています。幸せを感じられるかどうかは自分次第なので、今病気と闘っている人も、不安だけでなく幸せを見つけて過ごされることを願います。

編集部まとめ

ヘルパーさんをはじめ、周囲の人たちに支えられながら生活を送っている土屋さんですが、今できることを大切に、助けてくれる人たちに素直に感謝を伝えながら過ごされているそうです。「幸せに条件はなく、身の回りで起こっている幸せにどれだけ気づくことができるかで幸福度が変わるのだと、筋ジストロフィーが教えてくれました」とおっしゃられていたのが印象的でした。

なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

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