老後の資金が心配なので定年後も「1日8時間は働きたい!」フルタイムで働きたいと考えている人の割合はどれくらい?

定年後にも就業している人の割合は年々少しずつ増えています。しかし、定年後もこれまでと変わらずフルタイムで働きたいと考えても、体力面が心配な方もいるでしょう。
 
今回は、定年後どのような働き方をしたいのか、公益財団法人産業雇用安定センターが現在求職活動中の60代男女に行った「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に考えてみます。
 
定年後の働き方に不安のある方は、参考にしてください。

定年後もフルタイムで働きたいと考えている人の割合

フルタイムとは、それぞれの企業が定める正社員の労働時間(一般的には、1日8時間・週5日)と同じように働くことをいいます。パートのように非正規雇用でも、正社員と同じ労働時間であれば、フルタイム勤務といえます。

 

1日8時間働きたいと考えている人の割合

公益財団法人産業雇用安定センターが現在求職活動中の60代男女に行った「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」によると、1日に何時間働きたいかという質問の結果が表1のように出ています。

 

表1

6~8時間程度 4~5時間程度 2~3時間程度 1時間程度 その他
全体 48.2% 44.4% 7.0% 0.1% 0.3%
男性60~64歳 70.0% 26.7% 2.3% 0.3% 0.7%
女性60~64歳 36.0% 55.0% 8.5% 0% 0.5%
男性65~69歳 47.0% 48.0% 5.0% 0% 0%
女性65~69歳 29.5% 55.0% 15.5% 0% 0%

公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に筆者作成

 

全体的に短時間よりも、長時間働くことを希望している割合が高く、特に男性60~64歳では、7割の方がフルタイム労働時間に近い1日6~8時間を希望しています。

 

週に5日働きたいと考えている人の割合

「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」では、週に何日働きたいかという問いに関する回答結果も出ています。

 

表2

週6日 週5日 週4日 週2~3日 週1日 その他
全体 2.4% 29.4% 28.7% 37.8% 1.6% 0.1%
男性60~64歳 3.3% 45.3% 28.0% 21.7% 1.8% 0.3%
女性60~64歳 2.0% 23.5% 33.5% 39.0% 2.0% 0%
男性65~69歳 2.0% 28.3% 31.0% 37.3% 1.3% 0%
女性65~69歳 2.0% 13.0% 21.5% 61.5% 2.0% 0%

公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に筆者作成

 

男性60~64歳の方は、フルタイムの勤務日数と同等の週5日を希望する方がもっとも多くなっています。一方で、女性は週2~3日を希望する割合が多く、とくに65歳~69歳では6割以上に上ります。

 

シニア世代が仕事探しで重視するもの

多くの方が定年後も働きたいと考える理由も「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」の「仕事探しで重視するもの」から知ることができます。

 

表3

これまでの職業経験・知識を活かせる 仕事内容や職場の働きやすさ 給料 就労日数・就業時間 体力・体調に合っている 就業場所・通勤時間 地域貢献・社会貢献 その他 重視するものはない
全体 32.5% 40.1% 25.1% 33.7% 22.7% 34.9% 2.3% 0.6% 0.9%
男性

60~64歳

38.0% 38.7% 36.3% 24.3% 19.3% 29.3% 3.0% 1.0% 2.0%
女性

60~64歳

24.5% 45.5% 24.0% 36.0% 21.5% 42.0% 1.0% 1.0%
男性

65~69歳

37.0% 34.7% 20.0% 38.0% 23.7% 34.0% 2.7% 0.3%
女性

65~69歳

25.5% 45.0% 17.0% 39.0% 27.5% 37.5% 2.0% 0.5% 1.0%

※公益財団法人産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関するアンケート調査」を基に筆者作成

 

表3から、定年後に重視するのは仕事内容や職場の働きやすさであり、さらに年を重ねることで体力や通勤時間など、肉体的に楽な仕事を選ぶ傾向があることが分かります。

 

とはいえ給料面を求める方も決して低い割合ではなく、職場環境を重視しつつも、金銭的な部分も気になっていることが見てとれます。

 

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