「卵巣がんの進行スピード」はどれくらい?症状や治療法も解説!医師が監修!

「卵巣がんの進行スピード」はどれくらい?症状や治療法も解説!医師が監修!

卵巣がんの症状

卵巣がんは症状がほとんどありません。しかし、がんが進行すると徐々に症状を感じるようになります。この小さな変化に気付くことで、早期の治療が可能です。
それゆえ、日頃から体調変化に注意しておくとよいでしょう。これから卵巣がんの症状を紹介します。

初期は自覚症状がほとんどない

卵巣がんの初期では、自覚症状はほとんどないといわれています。初期では、がんが卵巣内にとどまっており、サイズも小さいため自覚しにくい状態といえるでしょう。

服のウエストがきつくなる

卵巣がんが進行するとがんが大きくなり、服のウエストがきつく感じることもあります。
本来、卵巣は親指台の大きさですが、がんが大きくなると10センチを超えることがあります。大きくなったがんが腹部に影響を与えることで、服のサイズが合わなくなる原因となるのです。

腹部のしこり

腹部の左右どちらか、もしくは両方にしこりが生じることがあります。
卵巣は子宮の左右に一つずつある臓器で、卵巣がんは進行すると卵巣内で大きくなります。そのため、肥大化した卵巣が腹部のしこりとして触れることがあるでしょう。

腹痛・お腹の張り

がんが大きくなると、腹痛やお腹の張りが出てきます。肥大化した卵巣が骨盤内にあるほかの臓器を圧迫することが原因です。
また、卵巣以外に子宮や卵管、肝臓・胃などの臓器を覆う腹膜にがん細胞が広がり、腹膜に炎症がおこると腹水の症状が出るようになります。
腹水はお腹に水がたまる症状で、腹水の量が増えることもお腹の張りの原因として挙げられます。

食欲がなくなる

腹膜までがん細胞が広がると、腹水がたまるようになります。
腹水によってお腹の張りが強くなることで、食欲がなくなる症状が出ます。食欲がない状態が続くと低栄養状態になり、免疫力が低下する恐れがあるでしょう。
このように、お腹の張りと食欲低下を感じたら卵巣がんが進行した症状かもしれないので、医療機関で一度検査を受けましょう。

頻尿・便秘

卵巣がんが進行して、がんが大きくなると卵巣が肥大化します。肥大化した卵巣が膀胱や腸を圧迫してしまうと、頻尿・便秘などの症状をともなうことがあります。

足のむくみ

卵巣がんが進行し卵巣が肥大化すると、付近のリンパ管や血管が圧迫され流れが悪くなります。これにより、足のむくみといった症状が引き起こされるのです。

腹部が前に突き出る

卵巣がんが進行すると、お腹の中に水がたまる症状が現れます。これは腹水と呼ばれるもので、ほかの臓器や腹膜にがん細胞が広がることが発生原因の1つです。
がん細胞の影響で腹水がたまり続けると、腹部が前に突き出る症状が出ます。

卵巣がんの治療方法

卵巣がんのほとんどは手術でがんを取り除き、薬物療法で治療する流れです。
手術で取り除くことがむずかしい場合は、先に薬物療法でがんを小さくしてから、手術をする場合もあります。卵巣がんはステージ・がんの種類・悪性度の高さで治療方法が大きく異なるため、検査でがんの病態をきちんと理解することが大切です。

手術

手術は卵巣がんを取り除く治療で、ステージによって処置が異なります。卵巣がんの初期である1期では、卵巣内にがんがとどまっている状態です。
そのため、がんに侵された卵巣を取り除きます。続いて子宮・大綱・リンパ節など、再発のリスクがある臓器や器官を取り除く処置をします。
再発を防ぐだけでなく、取り除いた部位を検査し、がんの細かい情報をえることが目的です。
2〜4期ではがんが広がり、ほかの臓器や器官にがん細胞が転移していることがあります。その場合、手術だけではすべてのがんを取り除くことがむずかしいため、薬物療法を併せて行う必要があります。

薬物療法

ほとんどの卵巣がんは、漿液性がんと呼ばれる薬物療法が効きやすい種類のがんです。そのため、手術で取りきれないがんや手術の効果を高める目的で薬物療法を実施します。
薬物療法では、抗がん剤を使用した化学療法をメインに行います。
化学療法は、がん細胞を標的とした分子標的薬やがん細胞を攻撃する細胞障害性抗がん薬を利用する場合がほとんどです。また、術後の維持療法でも薬物療法は活躍し、手術よりも体の負担が少ないです。
ただし、副作用として吐き気・食欲不振・倦怠感・脱毛など、薬の種類によってさまざまな症状が出る可能性があります。

関連記事: