温泉の利用後に領収証を見たら「入湯税」が引かれていた…。飲食店でいう「お通し」みたいなものですか?

温泉施設を利用すると、領収書に「入湯税」が記載されているケースがあります。
入湯税とは地方税のひとつで、利用客が施設を通して自治体へ納める税金です。
 
入湯税の課税価格は自治体によって異なるので、気になる場合は確認しておきましょう。
 
今回は、入湯税の概要や免除されるケースなどについてご紹介します。

入湯税とは

入湯税は環境衛生施設や鉱泉源の管理施設、消防施設の整備などのために徴収される地方税のひとつで、温泉のある入浴施設を利用した場合に発生します。

税率は1人につき1日150円が基準として設定されていますが、自治体によって異なる金額の設定も可能です。

 

例えば、東京都八王子市では基準となる1日150円を採用していますが、福岡県福岡市では宿泊と日帰りにおける入湯税はともに1日50円に設定されています。

また、神奈川県足柄下郡箱根町における入湯税は宿泊の方が1日150円、日帰りの方は50円です。

箱根町のように、宿泊の方と日帰りの方で入湯税が異なるケースもあるようです。

 

なお、入湯税は鉱泉浴場と呼ばれる施設を利用した場合に課税対象になります。

鉱泉浴場は温泉法において定義されている温泉浴場のほか、天然温泉を用いている温泉浴場も入湯税の対象です。

 

該当する温泉浴場は、入湯税を利用客から集めたあとに経営者が自治体へとまとめて納めます。

 

入湯税が免除されるケース

温泉を利用すると入湯税が発生しますが、入湯税が課されないケースもあります。

課税が免除される条件は自治体ごとに異なっており、先述した八王子市、福岡市、箱根町の課税免除条件は表1の通りです。

 

表1

八王子市 福岡市 箱根町
課税免除条件 ・共同浴場か入湯料金が税抜きで1200円以下の一般公衆浴場に入湯する

・12歳未満である

・12歳未満である

・市内在住かつ65歳以上である

・市内在住かつ障がい者である(条件があるため利用する際は直接確認が必要)

・修学旅行で訪れている生徒や児童

・12歳未満である(小学生以下)

・共同浴場か一般公衆浴場に入湯する

・教職員が引率している高校以下の生徒や児童

・病気により長期の療養を必要としている

※筆者作成

 

入湯税の課税免除対象か気になる場合は、利用する自治体の公式ホームページから入湯税について確認しておきましょう。

 

入湯税による収入の多い自治体は?

入湯税は地方税のひとつなので、各自治体の収入となります。

日本温泉協会が公表している資料によると、2021年の入湯税による収入が多い自治体トップ5は以下の通りです。

1位:神奈川県足柄下郡箱根町

2位:大分県別府市

3位:静岡県熱海市

4位:静岡県伊東市

5位:栃木県日光市

温泉で有名な自治体が上位を占めていることが分かります。

特に1位の箱根町は入湯税の収入も多く、2位の自治体より入湯税の収入額は約1.6倍の差がありました。

 

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