55歳独身の兄の”浪費癖”がひどく、貯金が「50万円」しかないそうです。少ないですよね?

独身の方は老後の生活費を自分自身でまかなわなければならないため、金銭的な不安を抱えている方も多いでしょう。
 
しかし、入ってきた給料を自分のためだけに使えるからこそ、貯蓄を殖やすことに難しさを感じることもあるかもしれません。
 
本記事では50代独身者の平均貯蓄額と、老後の必要資金についての考え方をご紹介します。

50代独身者の平均貯蓄額はどのくらい?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、令和5年における50代単身世帯の平均貯金額は1391万円、中央値は80万円ということです。

 

50代の単身世帯における貯蓄額の分布を示したものが、以下の表1です。

 

表1

貯蓄額 割合
金融資産非保有 38.3%
100万円未満 11.2%
100~200万円未満 5.2%
200~300万円未満 2.7%
300~400万円未満 3.6%
400~500万円未満 3.8%
500~700万円未満 4.6%
700~1000万円未満 5.5%
1000~1500万円未満 4.9%
1500~2000万円未満 4.1%
2000~3000万円未満 4.4%
3000万円以上 9.3%

※金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成

 

「貯蓄ゼロ」という人の割合が全体の4割近くを占めており「貯蓄100万円未満」と合わせると半数近くになります。

 

今回の事例の「55歳独身の兄の貯金が50万円」というケースは、珍しいことではないといえるでしょう。

 

「平均値」と「中央値」の違いは?

50代の貯蓄額を参考にするにあたって「平均値」と「中央値」の違いについて確認しておきましょう。

 

平均値はいくつかのデータの合計をそのデータの数で割った数値で、中央値はデータを並べたときにちょうど真ん中にくる数値のことをいいます。

 

例えば、300万・400万・500万・600万・3000万という5つの数値があるとき、平均値は「(300万+400万+500万+600万+3000万)÷5=960万」となります。

 

一方、中央値はちょうど真ん中にくる「500万円」です。平均値は極端に大きな数値があると全体的に引き上げられてしまうため、そのような影響を受けることがない中央値を参考にしたほうがいいでしょう。

 

安心して老後を迎えるために早めに貯蓄を始めよう

50代独身者だと「貯蓄ゼロ」や「100万円未満」という人も少なくありませんが、安心して老後を迎えるためにはできるだけ早いうちから貯蓄を殖やしておいたほうがいいでしょう。

 

まずは1ヶ月の収支をなるべく正確に把握し、節約できるポイントがないか確認してみることをおすすめします。収入を殖やすために、副業や資産運用を検討する方法もいいかもしれません。

 

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