7、個人再生に失敗するのはどんなケース?
個人再生の手続きは複雑で難しいだけに、失敗するリスクもあります。
ここでは、どのようなケースで個人再生に失敗してしまうのかについてご説明します。
(1)申立が棄却される場合
まず、個人再生の申立て要件を満たしていない場合は、申立てが棄却されてしまいます。
法人の借金で申し立てた場合や、個人の借金でも5,000万円を超える場合、返済可能な程度の収入が見込めない場合などです。
(2)書類の提出が遅れた場合
個人再生手続きでは、「財産状況報告書」や「再生計画案」を提出する必要がありますが、裁判所が定める提出期限を厳守する必要があります。
提出が1日でも遅れると受け付けてもらえず、申立てが棄却されます。
(3)債権者から反対意見が出た場合(小規模個人再生の場合)
小規模個人再生では、再生計画案について債権者から多数の反対意見が出た場合、裁判所で「不認可」とされてしまいます。
(4)裁判所が再生計画案を認可しない場合
債権者から反対意見が出なかった場合でも、収入や支出の状況から見て返済の見込みが十分でないと裁判所が判断した場合は、やはり不認可となります。
(5)分割返済が難しくなった場合
再生計画案が無事、認可されたとしても、個人再生手続きはまだ終了しません。
その後の分割返済ができなくなると、再生計画が取り消される可能性があります。
その場合、借金は一切免除されず、個人再生申立て前の状態に戻ってしまいます。
分割返済が難しくなった場合は、「再生計画の変更」や「ハードシップ免責」を申し立てることができます。
再生計画の変更が認められると、返済期間を最大2年延長できるので、返済月額を減らすことができます。
ハードシップ免責とは、再生計画に基づいて返済すべき金額の4分の3以上を支払い済みの場合に、特別に残りの債務も免除してもらえる制度です。
ただし、いずれも適用要件が厳しいため、認められるケースは少ないのが現状です。
どうしても分割返済ができなくなった場合は、自己破産を検討する必要があるかもしれません。
8、個人再生の申立てはどこに相談すればいい?
個人再生の申立てをお考えなら、弁護士に相談することをおすすめします。
自分で個人再生を申し立てることも可能ではありますが、手続きが複雑で難しいため、失敗する可能性が高くなります。
しかし、弁護士に依頼すれば失敗することはほとんどありません。
実際、個人再生を申し立てるほとんどの人は弁護士に依頼しています。
また、弁護士に依頼して申し立てることで個人再生委員の費用が低くなるというメリットもあります。
弁護士の他には司法書士に相談することもできますが、司法書士は裁判所へ提出する書類の作成・提出の代行しかできないことに注意が必要です。
司法書士には地方裁判所における代理権がないため、裁判所への対応は自分でしなくてはなりません。
個人再生申立ての相談先は、弁護士がベストです。
まとめ
個人再生は、裁判所を通じて借金を最大で10分の1まで減らせる債務整理です。
条件がいくつかありますが、自宅や車を残して大幅に借金を減らせるのが魅力的といえます。
手続きは他の債務整理に比べて複雑なため、個人再生を希望するのであれば弁護士に依頼するのがオススメです。
まずは、弁護士の無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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