物価高の世の中なのに、4月から給料が下がります。社会保険料の天引きに反映されるのはいつからですか?

給与の増減は、いつ社会保険料に反映される?

会社から支給される報酬額は、残業など、そのときの働き方によって変動する手当も含まれるため、毎月増減することもあるかと思います。しかし、社会保険料は毎月変動するわけではありません。社会保険料の見直しがされるタイミングには、「定時決定」と「随時改定」があります。

 

定時決定(年1回)

定時決定は、年1回、7月1日時点で勤めている会社において、4月、5月、6月の3ヶ月間のうち、支払基礎日数が17日以上(短時間労働者は11日以上)ある月の総支給額の合計から平均額を「報酬月額」として算出し、該当する等級の標準報酬月額を決める方法です。基本的には、ここで決定された標準報酬月額が、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額となります。

 

そのため、4月、5月、6月の総支給額の増減が、9月からの社会保険料に反映されることになります。

 

例えば、基本給が変わらなくても、4月から6月に支給される残業手当が一時的に多ければ、結果として9月からの社会保険料が上がり、手取りが減ってしまうことも考えられます。逆に4月からの給与などの報酬が下がることによって、標準報酬月額も下がった場合、社会保険料も9月から下がる可能性があります。

 

随時改定(大幅に変更があった場合)

標準報酬月額が見直されるのは、基本的に「定時決定」の年1回です。ただし、年の途中で昇給や降給、固定的な手当(住宅手当など)の追加などにより、大幅に報酬額が変更となった場合には、標準報酬月額を見直す場合があります(随時改定)。

 

随時改定が行われるのは、次の3つの条件を全て満たす場合です。

・昇給または降給等により、固定的賃金に変動があった

 

・変動月からの3ヶ月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額と、これまでの標準報酬月額との間に、2等級以上の差が生じた

 

・3ヶ月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である

出典)厚生労働省「随時改定(月額変更届)」より筆者作成

 

上記全ての条件を満たした場合は、変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4ヶ月目(例:4月に支払われる給与に変動があった場合、7月)の標準報酬月額から、標準報酬月額が改定されます。

 

新しく会社に入社した際の社会保険料

新たな会社に入社する場合、手続きのタイミングではまだ給与が支払われていません。この場合は、入社後に受け取る予定の給与額をもとに、標準報酬月額や社会保険料が決まります。

 

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