「マクロ経済スライド」とは何ですか?
「マクロ経済スライド」とは、現役世代の人口減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。図表1のように賃金と物価が上がった場合に年金給付額の伸びが調整されます。
この仕組みが導入された主な理由は「少子高齢化による現役世代の保険料負担が重くなりすぎないようにすること」と「年金保険料収入などの財源範囲内で年金給付を行い、長期的に公的年金を維持してゆくため」です。
令和6年度の「マクロ経済スライド」による調整率は「-0.4%」で、賃金変動率3.1%からマクロ経済スライド調整率を差し引き、年金改定率は前年比2.7%の上昇となりました。しかし、賃金と物価の変動率よりも改定率が低いため、実質的には年金支給額が目減りしているといえるでしょう。
まとめ
令和4年度での厚生年金の老齢給付受給者の平均年金月額は14万3973円で、国民年金の老齢基礎年金受給者(25年以上加入)の平均年金月額は令和4年度で5万6428円でした。
年金支給額は毎年改定され、賃金と物価の変動によって調整されます。公的年金制度を維持するために、賃金変動率・物価変動率が上がった場合には「マクロ経済スライド」が併せて計算され年金支給額が決まります。
これからも賃金と物価の変動によって年金支給額が決まるので、毎年の年金支給額を確認しながら定期的な家計の見直しと将来への貯金を行い、老後生活を維持してゆけるようにするのが望ましいでしょう。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
配信: ファイナンシャルフィールド
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