勤めている会社が業績不振に陥ると、売り上げや利益が減少します。利益が減るということは使えるお金が減るため、会社は出費をできるだけ抑えようとするでしょう。
その中で「従業員にこれまで通り残業はしてもらうが、その残業代をカットする」という施策を考える企業もあるかもしれません。そこでこの記事では、業績悪化を理由に残業代をカットすることが認められるのかについて解説します。
残業しているのに残業代カットは認められる?
結論からお伝えすると、残業をした従業員には必ず残業代が支払われることが労働基準法で定められています。これは、会社の業績が悪化しているかは関係ありません。
そのため、業績が悪化したことを理由に残業代をカット、にもかかわらず残業はしてほしいという依頼は、受け入れる必要はないといえるでしょう。
ちなみに、残業代を支払わない場合は「賃金不払い」として労働基準法違反となり、企業側がペナルティーの対象になる可能性があります。従業員が残業した場合、残業代は必ず支払われるものと覚えておきましょう。
残業代が支払われない場合はどうすればよい?
本来支払われるべき残業代が支払われない場合には、「労働基準行政の相談窓口」に相談するのがよいでしょう。
相談することで、会社の言っていることは正しいのか・自分の持っている知識は合っているのかなどが分かるため、今後どのように動けばよいのか判断しやすくなるはずです。労働基準行政の相談窓口の例は表1の通りです。
表1
窓口 | 場所・連絡先など | 備考 |
---|---|---|
労働基準監督署 | 各都道府県の労働基準監督署・
公共職業安定所 |
|
総合労働相談コーナー | 各地域の総合労働相談コーナー | |
労働条件相談ほっとライン | 連絡先
0120-811-610 月~金:17:00~22:00 土・日・祝日:9:00~21:00 ※12月29日~1月3日を除く |
英語・中国語・ベトナム語など
13言語に対応 |
※厚生労働省「労働基準行政の相談窓口」を基に筆者作成
労働基準行政の相談窓口に相談した後、自分で会社に残業代を請求するのか、弁護士などに相談したほうがいいのかなど今後の方向性を決め、実行するのがよいかもしれません。
いずれにせよ、自分の少ない知識だけで行動して事態を悪化させてしまうより、まずは労働相談を専門とする窓口で相談することをおすすめします。
配信: ファイナンシャルフィールド