ガラスの向こうから聞こえてくるのは、ちょっとした驚きと、あたたかい笑い声。串をかじって、マジックに目を見張って、気づけば隣の誰かと乾杯している。そんな夜が、不意に心をほどいてくれる。
布施・あかつき通りに佇む「串焼き酒場のぼせもん布施店」は、2022年オープンの居酒屋。美味しさも、出会いも、予定調和じゃないから面白い。

巻かれて、香ばしくほどける。──豚巻き串の魔法
「大阪といえば串カツ」
そんな定番イメージに、静かに風穴を開けるのが、のぼせもんの「豚巻き串」野菜を芯に、豚バラ肉がふわりと巻かれている。

一番人気のレタスに、トマト、ズッキーニや、えのき。迷ったときは「豚巻き5本盛り合わせ」を頼むのが正解かもしれない。その日のお任せが、ちょうどいいバランスでまとめられて出てくるそうだ。
ジュッと焼きあがる香ばしさ。シャキッと弾ける食感。そして、あとを引く旨み。これはもはや、ヘルシーというより、ただただうまい。

「串って、こんなに軽やかだった?」そんなふうに思わされる。
餡がそっと寄り添う、あんかけ豆腐
強い料理のあとに、ふと欲しくなるのが「あんかけ豆腐」。

創業70年の豆腐屋さんから届く、丸大豆100%の豆腐に、優しい餡がたっぷりとかかっている。箸を入れると、ふわりとくずれて、香りが立つ。出汁のきいたとろみが、火照った体とほどよくけんかして、すっと溶けていくような一皿。
お酒の〆に、いや、むしろ最初に食べたい時もある。きっとこれは、どのタイミングでも正解になる味だ。
