光免疫療法のデメリット
光免疫療法にはデメリットもあります。
治療薬の成分に過敏症がある方は禁忌
アキャルックス®は抗EGFR抗体がベースのため、抗体製剤にアレルギーがある場合には使用できません。
また、重度の皮膚障害や感染症があると治療が困難になることもあります。
頸動脈に腫瘍が及んでいる場合は避ける
照射によって腫瘍が急速に壊死するため、重要血管に浸潤している場合には破裂のリスクがあります。
そのため、頸動脈に接している腫瘍 は光免疫療法の対象外となることがあります。
保険適用以外の場合は高額になる可能性あり
保険適応外疾患や臨床試験では全額自費となり、高額な治療費が必要になるため注意が必要です。
光免疫療法の流れ
光免疫療法は以下のような流れで行われます。従来の手術や化学療法とは異なり、がん細胞に結合した薬剤に光を当てることで選択的に細胞を破壊するため、治療のタイミングや手順がとても大切です。
診察・検査
最初に行われるのは、腫瘍の状態を正確に把握するための検査です。
CT・MRI・PET などの画像検査で 腫瘍の大きさ・浸潤範囲・周囲の臓器との位置関係 を詳細に評価します。特に頭頸部は血管や神経、気道が複雑に入り組んでいるため、治療の安全性を確認するうえで欠かせません。
加えて、アキャルックス®が作用するかどうかを判断するために、EGFR(上皮成長因子受容体)陽性かどうか の確認を行います。
抗体医薬を用いる治療であるため、アレルギー反応などが起きないか、血液検査や既往歴の確認も丁寧に行われます。
なお、治療適応の可否は、「腫瘍が照射可能な範囲にあるか」「頸動脈など重要臓器に接していないか」など複数の要素から総合的に判断されます。
治療計画
治療が可能と判断されると、次に光照射のタイミング・角度・照射範囲などを設計する治療計画を作成します。
取得した画像データを専用ソフトに取り込み、腫瘍の形状や位置をmm単位で解析します。頭頸部ではわずかなズレが正常組織への損傷につながるため、以下が詳細に検討されます。
・どの角度から光を当てるか
・どの範囲に照射するか
・どの程度の出力で照射するか
照射時に口腔内に光ファイバーを挿入する場合や、皮膚表面から照射する場合など、腫瘍の場所によって照射方法が変わるのも特徴です。
また、薬剤投与後に光を照射するタイミングも非常に重要で、投与から24時間後がもっとも細胞破壊効果が高い とされています。
治療
治療の流れは以下のようになります。
1.アキャルックス®を静脈から投与
2.24時間後、近赤外線を専用レーザーで照射
照射された腫瘍細胞は数分〜数時間以内に膜が破壊され、細胞死へと向かいます。
治療自体は痛みが少なく、局所麻酔で行われることがほとんどです。
治療後
治療後は一時的に腫れ・痛み・嚥下困難が出現する場合があります。
腫瘍の壊死による炎症反応で発熱することもありますが、ほとんどは数日〜数週間で改善します。
退院後は定期的な画像検査を行い、腫瘍の縮小や治療効果を確認します。
もしも追加治療が必要と判断された場合、4週間以上空け、繰り返し行うことも可能です。

